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貧血の治し方まるわかり | 貧血サポートラボ

血液検査で、貧血やその他の病気の項目や基準値が分かるガイドブック

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健康診断などで行われる血液検査では、採血というかんたんな方法で、からだの機能に関する多くの情報を得ることができます。

検査の結果、「今回もとくに病気が無かったから良かった」で済ませてはいませんか?

以前の健康診断の目的は病気の早期発見がメインでした。しかし最近では、自分の体がどうなっているか把握し、このまま良い状態を維持したり、さらに良くしようと決意して、病気の予防に役立てることとも言われています。

であれば、自分にどのような病気が起こる可能性があるのか把握するために、あまり興味のない項目に関しても、最低限、何を調べる項目で悪いとどうなる可能性があるのか把握しておく必要があります。

ここでは、一般的な健康診断で行われる血液検査から、貧血・肝機能・腎機能・血中脂質など、より詳しい血液検査にいたるまで、その項目から分かることや、基準値についてご紹介いたします。

 血液検査の基準値はあくまでも目安

血液検査で得られる数値が正常なのか異常なのかを判断する指標となるのが基準値です。健康な人の95%くらいが指し示す数値なので、それを外れたからと言って100%病気とは限りません。健康な人でも、基準値から外れる場合もあります。

▼基準値について詳しくは下記の記事をご参照ください。

また、基準値は、医療機関によって単位が違ったり、数値が違ったりします。医療機関によって、検査する機器や試薬、方法などが違うからです。

※これからご紹介する基準値については、国立がん研究センターの、「臨床検査基準値一覧2016 年 6 月版」を一部参考にしています。

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一般的な血液検査(血算)

血液の中の赤血球数や白血球など、血液細胞の数やヘモグロビンの濃度などを測定する検査を血算といいます。一般的な血液検査で、貧血や、その他血液の病気を疑われる際の指標です。

血算の項目と基準値

赤血球数 男性:435~555
女性:386~492(×10,000/μl)
白血球数 3.3~8.6(×1,000/μl)
ヘモグロビン(Hb) 男性:13.7~16.8
女性:11.6~14.8(g/dl)
ヘマトクリット(Ht) 男性:40.7~50.1
女性:35.1~44.4(%)

血算の項目の詳細

赤血球数
赤血球は肺で取り入れた酸素を全身へ運び、不要になった二酸化炭素を回収して肺に届ける役割があります。赤血球数が低ければ貧血、高ければ多血症が疑われます。
白血球数
白血球はからだに侵入してきた細菌・ウイルス・異物・有害物質をとらえ、殺したり排除したりする役割があります。白血球数が、高ければ感染症が疑われ、異常に高いか、低い場合は血液の病気が疑われます。
ヘモグロビン(Hb)
ヘモグロビンは赤血球の大半を占める物質で、酸素を運ぶ働きをしています。貧血をうたがう際の最大の指標で、低ければ、貧血の中でも鉄欠乏性貧血がおもに疑われます。
ヘマトクリット(Ht)
赤血球の、血液全体を占める割合をあわわします。赤血球数と同じく、高ければ多血症、低い場合は貧血が疑われます。

鉄分に関する検査

鉄分は、健康を維持するうえで欠かせない元素の代表的なものです。鉄分に関する検査項目や基準値についてご紹介します。鉄分に関する検査の結果、疑われる病気に鉄欠乏性貧血がありますが、鉄分不足が招くことは貧血だけではありません。

鉄分は私たちの精神(こころ)をコントロールする神経伝達物質の合成に深く関わっています。そのため、不足すると精神面や感情、学習能力や運動機能、睡眠などといった大切な機能に影響が出てしまいます。

鉄分に関する検査項目と参考基準値

血清鉄(Fe) 男性:40~188(μg/dl)
TIBC(総鉄結合能) 男性:253~365
女性:246~410(μg/dl)
UIBC(不飽和鉄結合能) 男性:170~250
女性:180~270(μg/dl)

鉄分に関する項目の詳細

血清鉄(Fe)
血清(血液の液体成分)の中にある鉄分のことです。鉄分はヘモグロビンの材料となります。
TIBC(総鉄結合能)
血液中の鉄分は、トランスフェリンというたんぱく質に結合して存在しています。鉄分に結合することができるトランスフェリン総量を示すのがTIBCです。
UIBC(不飽和鉄結合能)
鉄分に結合していない状態のトランスフェリンを示す数値です。つまり、血清鉄(Fe)+UIBCがTIBCとなります。

▼貧血を疑われた場合など、鉄分に関する検査について詳しくは、下記の記事をご参照ください。

肝機能に関する検査

肝機能の検査項目と基準値の一覧をご紹介します。この結果によって疑われる病気は、肝炎・肝硬変・溶血性貧血・膵炎などです。

肝機能に関する検査項目と基準値

AST(GOT) 13~30(U/l)
ALT(GPT) 男性:10~42
女性:7~23(U/l)
γ-GTP 男性:13~64
女性:9~32(U/l)
ALP 106~322(U/l)
総ビリルビン 0.4~1.5(mg/dl)
アミラーゼ 44~132(U/l)
HBs抗原 (-)<0.05
HBs抗体 (-)<10.0
HCV抗体 (-)<1.0

肝機能に関する項目の詳細

AST・ALT
代表的な項目です。肝障害のときには共に上昇し、急性肝炎ではとても高い数値になります。
γ-GTP
こちらも肝障害で上昇する項目ですが、お酒の飲み過ぎで上昇するという特徴があります。アルコール性肝障害ではとても高い数値になりますが、禁酒によって改善します。
ALP
(アルカリホスファターゼ)肝臓や胆のうなどの病気で上昇します。また、骨の成長とも関係があり、成長期には数値が高くなります。妊娠時にも高くなります。
総ビリルビン
黄疸があると上昇します。空腹時にも少し上昇するので、健康診断ではすこし高い結果が診られます。この数値が高ければ赤血球が多く壊れている可能性あり、溶血性貧血などが疑われます。
アミラーゼ
膵臓から分泌される、炭水化物を分解する酵素です。急性膵炎などの膵臓の病気の際に上昇します。そのほか、唾液腺からも分泌されているので、流行性耳下腺炎(おたふく風邪など)でも上昇します。
HBs抗原・HBs抗体・HCV抗体
B型肝炎に感染の有無を調べる、HBs抗原・HBs抗体では、陽性か陰性かによって、その感染の有無を調べます。また、C型肝炎の感染の有無を調べるために、HCV抗体を検査します。陽性を示し感染が認められた場合では詳しい検査が必要です。

腎機能に関する検査

次に、腎機能の働きを示す項目の一覧を表に示します。この結果によって疑われる病気は、慢性腎臓病・腎炎・尿道炎・尿路結石などです。

腎機能に関する検査項目と基準値

尿酸(UA) 男性:3.7~7.8
女性:2.6~5.5(mg/dl)
尿酸窒素(BUN) 8~20.0(mg/dl)
クレアチニン 男性:0.5~1.1
女性:0.4~0.8(mg/dl)

腎機能に関する項目の詳細

尿酸(UA)
体内の代謝の産物として、血液に存在し尿へと排出されます。血液の中の尿酸が高くなり、足の関節などにたまって痛みを生じる病気が通風です。
尿酸窒素(BUN)・クレアチニン
腎機能の指標で、腎臓の働きが悪くなると、数値が上昇します。
尿潜血
尿中に混じる、ごく微量の血液の有無を調べます。陽性の場合では、腎炎・尿道炎・尿路結石などが疑われます。
尿蛋白
尿中に蛋白の有無を調べます。陽性では腎炎・起立性蛋白尿などが疑われます。

血中脂質に関する検査

脂質代謝に関する項目の一覧と基準値です。コレステロール値や中性脂肪値が高い状態を脂質異常症・高脂血症といいます。数値が高くても症状はないので、脂質異常症と診断されても危機感が薄いかもしれませんが、放置した結果、気づかないうちに動脈硬化が進んでしまい、突然、狭心症・心筋梗塞・脳梗塞などが起きてしまい、命も左右されかねません。

▼鉄分不足も大きく関係しています。

血中脂質に関する検査項目と基準値

総コレステロール 142~248(mg/dl)
HDLコレステロール 男性:38~90
女性:48~103(mg/dl)
LDLコレステロール 65~163(mg/dl)
中性脂肪 男性:40~234
女性:30~117(mg/dl)

血中脂質に関する項目の詳細

総コレステロール
コレステロール全体です。ホルモンや細胞膜の材料となりますが、多すぎると動脈硬化を起こす原因になります。
HDLコレステロール
いわゆる善玉コレステロールと呼ばれるものです。血管にたまった悪玉コレステロールをかんぞうに持ち帰り、動脈硬化を防ぐ働きをします。
LDLコレステロール
悪玉コレステロールと呼ばれ、血管の壁に蓄積し動脈硬化を促進します。
中性脂肪
トリグリセリド(TG)とも呼ばれます。糖分(主食・アルコール・甘いもの)の摂りすぎなどで増え、悪玉コレステロールを増やし、動脈硬化を促進します。

糖代謝に関する検査

糖代謝の検査は、糖尿病の有無、糖尿病の予備群ではないかを調べるためのものです。糖代謝に関する項目と基準値をご紹介します。

ここでの基準値と、診断基準については「貧血と血液の病気 浦部晶夫著 インターメディカ」を参考にしています。

糖代謝に関する検査項目と基準値

空腹時血糖(グルコース) 70~109(mg/dl)
ヘモグロビンA1c 4.7~6.2(%)
グルコース不可(75gOGTT) <140(mg/dl)

糖尿病の診断基準

下記のうち、1と3、もしくは2と3があれば糖尿病です。また、1~3のいずれかがあって1か月以内に再検査し、再び糖尿病型が確認されれば糖尿病と診断されます。

  1. 空腹時血糖が126mg/dl以上
  2. 随時もしくは75gOGTT2時間値が200mg/dl以上
  3. ヘモグロビンA1cが6.5%以上

糖代謝に関する項目の詳細

空腹時血糖・ヘモグロビンA1c
「血糖値」とは、血液中のブドウ糖の濃度です。食事の影響が強いため空腹時に検査します。それが空腹時血糖です。ヘモグロビンA1cとは、血液中のヘモグロビンにブドウ糖が結びついたもので過去1~2か月の血糖の平均値がわかります。
空腹時血糖が110mg/dl未満、かつヘモグロビンA1cが国際基準で6.2%以下では糖代謝に異常はなく、糖尿病ではないと考えられます。しかし、5.6%~6.4%では糖尿病予備群と考えられ、運動や体重を減らすことをすすめられます。6.5%以上では詳しい検査が必要です。
グルコース不可(75gOGTT)
75gの糖を飲んで、その前後で血糖を調べる検査です。糖負荷試験とも呼びます。2時間値、もしくは食後のいつでもよい時間での数値が200mg/dl以上が糖尿病型です。

たんぱく質と電解質

血液中のたんぱく質や電解質に関する検査の項目と基準値です。栄養状態の指標となったり、さまざまな病気によって数値が変動します。

たんぱく質と電解質に関する項目と基準値

総たんぱく 6.6~8.1(g/dl)
アルブミン 4.1~5.1(g/dl)
ナトリウム 138~145(g/dl)
カリウム 3.6~4.8(mEq/l)
クロール 101~108(mEq/l)
カルシウム 8.8~10.1(mEq/l)

たんぱく質と電解質に関する項目の詳細

総たんぱく
血液中には多く含まれているたんぱく質の総量です。TP(total protein)ともあらわされます。栄養状態が悪いと低下します。上昇していると肝硬変や多発性骨髄腫などが疑われ、さらに詳しい検査が必要になります。
アルブミン
血液中のたんぱく質の中で、もっとも主要となります。総たんぱくよりも、栄養状態についての指標となります。低い場合は栄養状態が悪いとき、重度の肝臓の病気、胃腸病、ネフローゼ症候群(尿にたんぱく質がたくさん出てしまう病気)などが疑われます。少し高いくらいでは心配ないとされています。
ナトリウム・カリウム・クロール
これらは電解質とよばれるもので、浸透圧の調整や体液のPH調整にかかわっています。脱水や嘔吐・下痢などによって変動し、糖尿病や内分泌系の病気でも変動します。
カルシウム
副甲状腺ホルモンやビタミンDの作用を受けます。副甲状腺の機能がたかぶると上昇し、低下すると低い数値となります。また、一部のガンによって異常に高くなることがあります。

甲状腺に関する検査

甲状腺に関する検査の項目と基準値です。甲状腺は甲状腺ホルモンの分泌がおもな役割で、新陳代謝の促進や、神経系の維持・活性化、からだの成長などに欠かせないものです。疑われる代表的な病気にバセドウ病などがあります。

甲状腺に関する検査項目と基準値

甲状腺刺激ホルモン(TSH) 0.35~4.94(μlU/ml)
遊離サイロキシン(FT4) 0.70~1.48(ng/dl)
遊離トリヨードサイロニン(FT3) 1.71~3.71(pg/ml)

甲状腺に関する検査項目の詳細

甲状腺刺激ホルモン(TSH)
甲状腺に作用して、甲状腺ホルモンの合成や分泌を促進させる働きがあります。甲状腺の機能が低下していると数値は低く、機能がたかぶっていると数値が高くなります。
FT4・FT3
FT4(遊離サイロキシン)と・FT3(遊離トリヨードサイロニン)は、甲状腺でつくられ、血液中に分泌されるホルモンで、甲状腺ホルモンの指標として測定されます。バセドウ病ではFT4とFT3の数値が高くなり、TSHの数値が低くなります。甲状腺機能低下症という病気では、FT4とFT3ぬ数値が低く、TSHの数値が高くなります。

そのほかの検査

免疫血清検査や、そのほかの項目と基準値についてご紹介します。

CRP ≦0.14(mg/dl)
RPR (-)
TPLA (-)
ピロリ菌抗体 (-)

そのほかの項目の詳細

CRP
CRPはC反応性たんぱくというもので、熱をもつ・腫れる・膿むなど、体のどかかに炎症があると上昇し、基準値を超えて陽性になります。感染症や心筋梗塞など多くの場合に陽性となりますが、もっとも多いのが感染症の場合です。
RPR・TPLA
RPRは梅毒血清反応のひとつです。TPLAは梅毒病原体に対する抗体を検出する方法です。RPRとTPLAの両方が陰性なら梅毒に感染していないとされます。RPRが陽性でTPLSが陰性なら偽陽性と判断され、別の病気が疑われます。RPRが陰性でTPLSが陽性なら、治療後の梅毒であることを示しますが、感染直後や長期間感染している場合などでは別の反応となる場合があります。
ピロリ菌
ピロリ菌はヘリコバクターピロリという細菌で、いつのまにか胃の中に住みつくという特徴があります。血液検査によって感染の有無を調べますが、感染していると陽性となり、治療とともに低下していきます。

腫瘍マーカーの検査

腫瘍マーカーは、血液検査の項目の一つで、「がん」が発生する器官により作り出す物質を調べ、「がん」がどこに発生している可能性があるのか調べることができます。

あくまでも、その手がかりを簡単にチェックすることができるので、それだけで確定的な診断をつくられないことが多く、ほかの検査と組み合わせて実施されることが多いです。

代表的な腫瘍マーカーと参考基準値

AFP ≦10.0(ng/ml)
CEA ≦5.0(ng/ml)
CA19-9 ≦37.0(U/ml)
CA125 ≦35.0(U/ml)
PSA ≦2.70(ng/ml)

腫瘍マーカー項目の詳細

AFP
AFP(アルファ・フェトプロテイン)は、肝臓がん・肝炎・肝硬変などで高い数値となります。また、妊娠初期でも高い数値を示す場合があります。
CEA
CEA(がん胎児性抗原)は、大腸がんなど消化器系のがんで上昇することがあります。しかし、正常な人や、喫煙者、良性疾患でも上昇することがあります。
CA19-9
CA19-9は、膵がん・胃がん・大腸がんなどで上昇しますが、もっともおおいのが膵がんの場合です。そのほか、糖尿病・慢性膵炎子宮筋腫などでも上昇することがあります。
CA125
CA125は卵巣がんで上昇しますが、子宮内膜症、妊娠時にも上昇することがあります。
PSA
PSA(前立腺特異抗原)は、前立腺がん・前立腺肥大症・前立腺炎などで上昇します。

さいごに

病気を早く見つけることも大切ですが、病気にならないように、自分の体を管理することはもっと大切なのかもしれません。

健康診断で気にするべき事は、結果よりも前回の数値との比較。どの項目が前回よりも悪くなっているのかを把握して、これから起こるかもしれない病気を予防していくことはとても重要なことです。

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