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脳貧血を防ぐ食べ物とは?知っておきたい食事のポイント4つ

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脳貧血は一時的な低血圧で起こります。何かしらの栄養が足りないことで起こる症状ではありません。それなら、予防や改善などのために、食べ物はさほど重要ではないのでしょうか?

脳貧血はさまざまな状況で起こります。原因もそれぞれに異なり、ここでご紹介している食事のポイントが、その原因すべてに当てはまるわけではありません。

脳貧血の原因がどのような人に効果が期待できるのかを、まずは見ていきましょう。

脳貧血と食事の関係

脳貧血は、脳の一時的な酸欠によって起こるもの。血液が薄くい状態の貧血とはまったく別のものです。

脳貧血と貧血では原因が違います。脳貧血は、一時的に血圧が下がることで、脳へ運ばれるはずの血液が少なくなり、その結果、脳の酸素が不足する事で起こります。

言い換えれば、脳の一時的な酸欠です。貧血は血圧とは関係がありません。

▼脳貧血と貧血の違いや原因について

血圧が下がる原因もいくつかあります。

  1. 心臓や血管などの病気
  2. ストレスによる自律神経の乱れ
  3. もともと血圧が低い(低血圧)

脳貧血がおこる原因によって、対策や改善の方法はもちろん違ってきます。

病気が原因であれば、病院での治療が必要です。

脳貧血の原因がストレスによる自律神経の乱れがであれば、生活環境の改善などが必要です。この場合、食事においては、何を食べたら良いかというよりも、1日3食きちんと食べるといったことの方が重要になってきます。

▼ストレスケアについて詳しく

これから、低血圧によって引き起こされる脳貧血の症状(めまいや立ちくらみ、頭痛や失神など)を予防・改善するために効果的な食事をご紹介していきます。

繰り返しますが、あくまでも低血圧に効果的な食事のポイントですから、ストレスケアとは別の内容です。

しかし、ストレスが原因で自律神経失調症と診断された人の中には、低血圧の人が多いとも言われていますので、ストレスケアと組み合わせて取り入れる事で思わぬ効果がでるかもしれません。

ではまず、低血圧とはどのような状態なのかという事から見ていきましょう。

血圧とは動脈の血液の圧力のこと

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血圧とは、心臓から押し出される血液の圧力の事。

血圧とは、心臓から押し出される血液の圧力の事です。ふつうは動脈の血圧のことを言い、心臓がギュっと収縮したときの血圧を最高血圧、心臓が拡張したときの圧力を最低血圧といいます。

単位は水銀柱ミリメートル(mmHg)が使われることがほとんどです。

低血圧とはどんな状態?

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一応の目安として、最高血圧が100mmHg以下、最低血圧が60mmHg以下を低血圧としています

高血圧にはWHOなどが定めた国際的な基準がありますが、低血圧の場合はそうしたものがありません。

一応の目安として、成人の場合で最高血圧が100mmHg以下、最低血圧が60mmHg以下を低血圧としています(最低血圧はあまり問題にする必要がないと言われています。)

最高血圧が100mmHgを下回る低血圧であったとしても、とくに症状がない場合は問題視されません。何かしらの症状があってはじめて「低血圧症」といい、治療の対象となります。

おもな低血圧症の症状

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脳貧血

  • 立ちくらみ
  • めまい
  • 頭痛
  • 頭が重たい
  • 気を失いそうになる
  • 失神

上半身の症状

  • 耳鳴りがする
  • 耳が聴こえにくい
  • 肩がこる
  • 首がこる
  • 動悸
  • 息切れがする
  • 胸が痛い
  • 胃もたれが多い
  • 食欲がない
  • 下痢や便秘をよくおこす
  • 腰が痛い

全身の症状

  • 手足が冷える
  • しもやけ
  • とくに夕方、脚がむくむ
  • 眠れない
  • カラダがだるい
  • 疲れやすい
  • スタミナがない
  • 朝起きられない
  • 午前中はとくに体調が悪い
  • 顔色が悪い
  • 乗り物酔い

精神的な症状

  • 不安感
  • 恐怖感
  • うつ状態
  • 不登校
  • 仕事に行きたくない

日本人には低血圧が多い?

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日本人も含めたアジアの農耕民族は、もともと血圧の低い体質だといわれています。

日本人は血圧の低い人が多いと言われ、それは農耕民族の特徴とも言われています。

日本人は昔から米を主食として生きてきた農耕民族です。肉を中心に食べる狩猟民族だった欧米人と比べると、カラダは小さく痩せている民族でした。

農耕民族は、狩りのために自律神経を緊張させ、気持ちを高ぶらせる必要がなく、食料を他人に奪われるおそれも少ないため、あまり戦闘的になる必要性がありませんでした。

そのため、日本人も含めたアジアの農耕民族は、狩猟民族と比べてさほど高血圧になる必然性がなかったので、もともと血圧の低い体質だと思われています。

低血圧を改善する食事のポイント4つ

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低血圧の人は食欲があまりなく、必要な栄養素が足りなくなっていることが多いと言われています。

であれば、食が進まない事を改善することが第一ですから、食欲をなくすようなことは逆効果です。

好きな食べ物や、これまでの食習慣というものも大切にしながら、これからご紹介する事を参考にしていただければと思います。

① 穀物の力で体力をつける

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穀物は体の細胞の働きをよくして血のめぐりを良くし、老廃物などを外に出す役割もしてくれます。

米や麦などの穀物に含まれる糖質は、ほかのタンパク質や脂肪などとくらべて、消化や吸収が良く、効率の良いエネルギーとなります。

低血圧の人は、朝がなかなか起きられない、日中やる気が起きないなど、エネルギーが不足していることが多いため、体力の基礎となる糖質はとても大事です。

穀物は糖質以外にもさまざまな栄養があります。体の細胞の働きをよくして血のめぐりをよくし、老廃物などを外に出す役割もしてくれます。

米とパンの違い

米そのものは、とてもすぐれた食品です。胃にやさしく、栄養のバランスがとれています。

栄養学から米とパンを比べてみると、たんぱく質の量はゴハンよりパンの方が多いですが、質としてはゴハンの方が優れています。また、エネルギーの量はパンの方が多いです。

どちらが良いかという事は一概には言えません。でも、市販されているパンの多くには添加物が含まれているものが多いです。その点では自宅で炊いた米のほうが安心といえます。

② 適当な塩分が必要

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塩(ナトリウム)には、交感神経の反応を高めて血圧を上げる働きがあります。

高血圧の人は塩分をひかえる必要がありますが、低血圧の人まで塩分を気にすることはむしろ問題です。塩(ナトリウム)には、交感神経の反応を高めて血圧を上げる働きがあります。

昔から塩は命の源とされてきました。人は砂糖を食べなくても生きていく事はできますが、塩がないと生きていけません。

塩は体の中に入ると、ナトリウムイオンとなって食物の栄養素を血管の中に取り込む働きをします。

また、筋肉を動かすときには、このナトリウムイオンがとても重要な働きをします。

筋肉は、歩いたり・走ったりするなどの運動意外にも、肺で呼吸をしたり、心臓を動かしたりするなど全ての行動で必要ですから、ナトリウムがいかに重要かという事が分かるかと思います。

味噌は優れた調味料

味噌は醤油とともに、日本を代表する調味料です。大豆・米・麦などを原料として、これらを蒸し、塩とこうじ菌を加えて発酵、熟成させつくられます。

味噌は、大量の塩を使うのでナトリウムが多いのももちろんです。

その他カリウム・リン・カルシウムなどもたくさん含まれていて、たんぱく質も豊富です。

低血圧の人は体も冷えやすく、栄養も不足しがちなので、これら両方ともカバーできる味噌汁などは特におすすめといえます。

③ タンパク質を上手にとる

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低血圧の人は、質の良いタンパク質を上手にとる必要があります。

低血圧の人は、小食でさっぱりとしたものを好む人が多いと言われています。その場合は、質の良いタンパク質を上手にとる必要があります。

質の良いタンパク質とは、カラダの中で合成されない必須アミノ酸をバランスよく含んでいるものです。

食品の中では、たまご・牛乳・肉・魚貝・大豆などがあげられます。穀物では米が比較的に優れています。

しかし、一つの食品で、たんぱく質も必須アミノ酸もすべてとれるというようなものはなかなかありません。互いに不足しているものを補うような「食べ合わせ」が大切です。

食べ合わせの例

例えば大豆のタンパク質は、植物性たんぱく質の中では最も量が多いとされていますが、逆に必須アミノ酸が少ないです。

そこで、アミノ酸をたくさん含んでいる鳥や卵を同時に食べれば、その欠点をカバーすることができます。

また、牛乳やチーズなどの乳製品は質の良いタンパク質を含んでいます。

しかし、これらが苦手な人にとっては、毎日食べると言ったことが逆にストレスになってしまいます。

その場合は決して無理をせず、小魚や肉などでタンパク質を補えば良いというように、ゆるやかに考えましょう。

④ 胃腸が弱い人は?

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胃腸が弱い人の場合、その原因によって、食事で気をつけるべきポイントは変わってきます。

胃腸が弱い人の場合、その病気によって、食事で気をつけるべきポイントは変わってきます。まずは共通して注意したい事をご紹介します。

  • 栄養のバランス
  • 繊維などの不消化成分を控える。もしくは小さく柔らかく調理する
  • 1回の食事の量より、回数で調整する
  • 冷たすぎるもの、熱すぎるものを避ける

胃下垂の場合

体つきが細い、腹筋があまりない体質の人は胃下垂になりやすいと言われています。このような人はまず標準の体重くらいまで太る事が最初の目標です。

しかし、一度の食事の量を増やすことよりも、少ない量で栄養の高い食事になるようにした方が良いです。

また、食欲が出ないときなどは、少量のアルコールや香辛料、酸味などで食欲をアップさせるのも良いです。

萎縮性胃炎の場合

この病気ではタンパク質を消化する力が落ちています。

そのため、たんぱく質をとるためには、比較的やわらかい、豆腐や白身魚、乳製品などからとるようにすると良いです。

また、胃酸が減っていますので殺菌作用が低くなっています。ですから食中毒には注意が必要です。食品の鮮度や衛生面に注意しましょう。

胃酸過多の場合

逆に胃酸が過剰に出ている状態では、アルコールや香辛料、酸味といったものは控えます。

また、胃がからっぽになると、胃酸によって胃の粘膜を痛めますので、ときどき間食するなどしましょう。

また、脂肪は胃酸の分泌をおさえてくれますので、消化の良いバターや生クリーム、植物油なども良いです。

参考書籍:『貧血と低血圧を改善する食事と生活』監修:目黒西口クリニック院長 南雲久美子

貧血の人むけの食べ物は?

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最後に、フラフラ・クラクラの原因が低血圧ではなく、鉄分不足が原因とハッキリしている場合での食事のポイントを一つご紹介します。

日本人女性の80%以上もの人が鉄分不足だと言われていますが、その症状は、効率よく鉄分を摂取していけば必ず改善すると言われています。

しかし鉄分はとっても吸収されにくい栄養素。ただやみくもに鉄分を多く含む食べ物を食べればよ良いというわけではありません。

吸収を助けくれる栄養素と同時に鉄分を摂ることが重要です。とくにビタミンCやリンゴ酸などと一緒に摂れば、吸収率は格段に良くなります。

▼自然な食べ物で鉄分を効率よくとる方法

脳貧血を防ぐ食べ物とは?~まとめ~

ここでは、低血圧の改善に効果が期待のできる食事についてご紹介してきました。

脳貧血は、高血圧の人も起こすことがあります。ここでご紹介したのはあくまでも、低血圧改善についての食事のポイントです。

脳貧血をよく起こす人で低血圧の場合は、何か生活のヒントにしていただけたら幸いです。

また、低血圧症は、医師によっては自律神経失調症と診断される方も多いそうです。つまり、低血圧だからさまざまな症状を起こすのではなく、自律神経失調症に低血圧が伴っているという考え方です。

低血圧症に悩んでいる人は、血圧が低いことだけを気にするのではなく、自律神経が乱れているのかも?といった側面からも、日ごろの生活などを見直してみるのも良いかもしれません。

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