SNS上では“キラキラママ”も、家では別人。
「出産して妻が一番変わった点は?」という質問で
「すぐにキレる、いつもイライラしている」
と答える人も多いかと思います。
この、「キレやすい」は、ある栄養素が圧倒的に不足している可能性があります。
その栄養素とは「鉄分」。
鉄分って、誰でも知っている栄養素でありながら、詳しいとところまでは以外に知られていませんよね。
もし、鉄分を補給することで、キレにくく、イライラがなくなれば…
それは人生を変えるかもしれないと言っても、大げさではないのかもしれません。
鉄分不足がキレやすい理由
心身のバランスを保つ「神経伝達物質」の合成に、鉄分は必須です。
神経伝達物質とは、心身のバランスを保ってくれているもの。
心を安定させたり、やる気を作ってくれたり。
鉄分が不足することで、神経伝達物質のバランスがくずれてしまい、精神面や感情に悪い影響を受けてしまうんです。
もう少し詳しく言うと…
鉄分不足になると、興奮や意欲を促進させるノルアドレナリンを抑制しにくくなり、イライラしてキレやすくなったり、怒りっぽくなったりと、攻撃性が増してしまうとされています。
これまで「鉄分不足=貧血」というイメージしかありませんでしたが、鉄分不足が招くものはそれだけではなかったんですね。
その他、鉄分が不足する事で起こる症状にも驚きです。
ヤル気が出ない、憂鬱で落ち込みやすい、涙もろい、カラダがだるい、朝なかなか起きられない、集中力が無いなど、重度の鉄分不足はうつ病やパニック障害の原因になると言われている医師も多数おられます。
女性はほとんど鉄分不足
次に日本人の鉄分不足の割合です。
体内にどれだけの鉄分があるかは、血液中の血清フェリチン値を調べれば分かります。
日本人のフェリチン値(鉄の貯蔵量)については、厚生労働省が行っている、国民健康・栄養調査によって確認することができます。
その結果では、20~49歳のうち約80%はフェリチン40以下。
99%以上で100以下という値を示しています。
ちなみに欧米では、フェリチン値100以下は鉄分不足とみなされ、40以下では出産を許可されないほど重度の鉄分不足だとされるそうです。
つまり、20~49歳の日本人女性99%は鉄分不足だということです。
なぜそうなってしまうのか、その答えは簡単です。
それは、
1.女性は生理による定期的な出血によって、鉄分がたくさん失われているから
2.出産によって体内の鉄は空っぽになってしまうから。
3.1.2にも関わらず、鉄分が補給できてないから
では最後に、鉄分不足の対策についてご紹介します。
間違いだらけ?! 鉄分対策
鉄分の効果的な摂り方を徹底的に調べて分かった事があります。
鉄分は、肉類などに含まれる「ヘム鉄」のほうが吸収されやすいので、ヘム鉄を多く含むレバーなどを多く食べるべき!
そう思っている人。残念ながら間違いのようです。
「鉄分不足の改善にはレバーを!」と言われてきたのは、鉄分が吸収される仕組みについて詳しく分かっていなかった昔の情報が元になったもの。
現在では、鉄吸収の仕組みや、体内の鉄調節がだんだん明らかになり、「鉄分不足には非ヘム鉄」という新たな常識が生まれました。
非ヘム鉄とは、野菜や果物などに含まれる鉄分。
確かに、ヘム鉄は非ヘム鉄よりも体内の吸収率が良いのですが、鉄分不足の状態だと、非ヘム鉄の吸収率が大きく上回る事が分かりました。
鉄分不足を解消するには、肉類ではなく野菜や果物ということです。
そしてもう一つ大切な事があります。
それは食べ合わせです。
非ヘム鉄は、ヘム鉄と違い、消化吸収の過程においてさまざまな物質の影響をうけやすいという特徴があります。
これをうまく活用すれば、鉄分不足は劇的に改善します。
その代表的な方法は主に2つ
- 1.「ビタミンC」をいっしょに
- 食べ物に含まれる鉄は3価鉄という状態で存在しています。この状態だとほとんど吸収されないので、イオン化された3価鉄を2価鉄へと還元する必要があります。私たちの体内には、3価鉄を2価鉄へと還元する機能がありますが十分ではありません。そのため、還元作用がある「ビタミンC」を一緒に摂ると吸収率が格段に上がります。
- 2.果実酸を一緒に
- 繰り返しますが、非ヘム鉄は他の栄養素から受ける影響が大きいです。その影響は鉄の吸収をさまたげる事もありますが、逆に吸収を良くしてくれる事もあります。そこでクエン酸やリンゴ酸などといった果実酸にキレート化させることも有効です。キレート化とは、鉄分などのミネラルを包み込んで吸収しやすい状態へしてくれることです。
参考文献
- 「うつ・パニックは「鉄」不足が原因だった」藤川徳美著 光文社新書
- 「鉄マグ欠乏症」後藤日出夫著 健康ジャーナル社
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