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血液細胞のがん。不応性貧血(骨髄異形成症候群:MDS)

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高齢者に多く、増加傾向にある不応性貧血(骨髄異形成症候群:MDS)。高齢者の貧血とも言われます。ここでは、この病気の原因、症状、治療についてご紹介します。

不応性貧血と、骨髄異形成症候群は同じ意味として使われることが多いです。また、英語の頭文字をとてMDSとも言われます。(myelodysplastic syndrome:MDS)

不応性貧血(骨髄異形成症候群:MDS)とは?

不応性貧血(骨髄異形成症候群:MDS)は、とは、血液をつくる造血幹細胞に何らかの異常が生じて、形がおかしい血液細胞がつくられたり、赤血球や白血球、血小板といった血液細胞がすくなくなる病気です。

同じような病気に「再生不良性貧血」があります。

▼再生不良性貧血についてはこちらで詳しくご紹介しています。

ともに、血液がうまく作られなくなる病気ですが、その違いは、骨髄異形成症候群は造血幹細胞の質が悪くなって血液が作れなくなったり、未熟な血液細胞(芽球)が増えて白血病に進行したりします。

芽球とは、形態学的にもっとも幼若な血液細胞のことであり、骨髄芽球を含む、より広範な概念である。 実際には「白血病細胞である可能性が高い細胞」を意味することが多い。

引用:「ウィキペディア」

つまり、骨髄に何らこの異常があり、造血幹細胞が少なくなる病気が再生不良性貧血で、造血幹細胞それ自体に何らかの異常があり、形がおかしくなったり、正常に血液細胞が作られなくなる病気を、不応性貧血(骨髄異形成症候群:MDS)と言います。

白血病に移行する事もある!

不応性貧血(骨髄異形成症候群:MDS)は、いくつかの型に分けられています。なかには、白血病に移行してしまう事もあります。

白血病は、なんの前ぶれもなく突然発病します。しかし、何か前兆のような症状に引き続きて発病することがまれにあります。そのような状態を「前白血病状態」といいます。

骨髄異形成症候群(MDS)は、前白血病状態の代表的なものです。

不応性貧血(骨髄異形成症候群:MDS)の発症数

不応性貧血(骨髄異形成症候群:MDS)は、高齢者に多く、診断されたときの平均年齢は70歳前後とのことです。

人口10万人あたりの発症数は、

  • ヨーロッパ諸国 20~50人/年(70歳以上)
  • アメリカ 75人/年(65歳以上)

日本では高齢化が進んでいます。ヨーロッパやアメリカのデータを日本に適用した場合、不応性貧血(骨髄異形成症候群:MDS)の患者数は10万人を超えると予想されます。

不応性貧血(骨髄異形成症候群:MDS)の分類

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不応性貧血(骨髄異形成症候群:MDS)の分類方法は、おもに2つありますが、それぞれに大きな違いはありません。

  1. FAB分類
    フランス・アメリカ・イギリスの研究者のグループによって提唱された、白血病などの血液腫瘍の代表的な分類法。
  2. WHO分類
    世界保健機関 (WHO)の下部組織である国際がん研究機関が定めた腫瘍分類法。国際的な標準規約です。

不応性貧血(骨髄異形成症候群:MDS)は、骨髄や血液のなかの芽球の割合で分類されます。

芽球は、健康な人の骨髄では、ほんの数パーセント以下しか存在しません。

芽球の割合が多い場合は、骨へガンが転移している場合を除くと、ほとんどの場合は白血病のときです。

そのため、芽球は白血病細胞とほぼ同じ意味で使われることが多いです。

FAB分類による不応性貧血(骨髄異形成症候群:MDS)

名称 芽球の割合
不応性貧血 骨髄5%未満
末梢血1%未満
鉄芽球性貧血 骨髄5%未満
末梢血1%未満
※環状鉄芽球増加
芽球増加を伴う
不応性貧血
骨髄5~19%未満
末梢血5%未満
慢性骨髄
単球性白血病
骨髄20~29%未満
末梢血1%未満
※末梢血単球増加

※環状鉄芽球……赤血球を作る赤芽球と呼ばれる細胞に見られる異常
※末梢血単球増加……単球とは白血球の1種で最も大きな白血球

  • 一般的に、不応性貧血と鉄芽球性貧血では、白血病に移行することは少ないです。
  • 芽球増加を伴う不応性貧血では、白血病に移行することが多くあります。

重症度基準

ステージ
1
軽症 下記以外
ステージ
2
中等症 骨髄で芽球5%未満
末梢血で芽球1%未満
かつ、以下の1項目以上を満たすヘモグロビン濃度 10g/dl未満
好中球 1,000/μl未満
血小板 50,000/μl未満
ステージ
3
やや
重症
骨髄で芽球5%未満
末梢血で芽球1%未満かつ、赤血球の輸血が必要
or 以下の1項目以上を満たす
好中球 500/μl未満
血小板 20,000/μl未満
ステージ
4
重症 骨髄で芽球5%以上10%未満
または、血小板輸血が必要
ステージ
5
最重症 骨髄または末梢血で芽球10%以上
または、感染症で2回以上の
入院履歴がある

引用:「不応性貧血(骨髄異形成症候群)診療の参照ガイド」

不応性貧血(骨髄異形成症候群:MDS)の症状

不応性貧血(骨髄異形成症候群:MDS)は、赤血球だけではなく、白血球、血小板も少なくなります。それによって、一般的な貧血の症状に加え、血小板が少なくなっていることで出血しやすくなっていたり、白血球が少なくなっていることで、感染症にかかりやすくなってしまうことがあります。

赤血球、白血球、血小板が少なくなることは、再生不良性貧血と同じです。そのため、不応性貧血(骨髄異形成症候群:MDS)の症状は再生不良性貧血によく似ています。

不応性貧血(骨髄異形成症候群:MDS)の治療

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不応性貧血(骨髄異形成症候群:MDS)の治療は、現状ではこれという確立したものはありません。しかし、新しい治療の方法が続々と試みられているようです。

病気の型によって、血液細胞の減少の度合いが違うので、病気の経過をよく観察し、今後の経過を予測することが行われます。

骨髄移植

年齢が若く、経過が良くない場合には、骨髄移植などの造血幹細胞移植が行われます。移植を行うためには、年齢や、ドナーの有無など、さまざまな条件を満たす必要があります。

不応性貧血(骨髄異形成症候群:MDS)の治癒がもっとも期待される治療法です。

抗がん剤による治療法

その他、病型によってさまざまな治療が行われますが、芽球が多い場合(白血病に移行したり、または移行しかけている場合)には、抗がん剤による治療が行われます。

芽球を減らすことが目的です。

輸血

赤血球、白血球、血小板が少なくなったことによる症状や、治療に伴った副作用を軽減するために輸血が行われます。少なくなっている血液細胞を補ったり、感染症予防のための対策が目的です。

赤血球の輸血

貧血の症状を改善するために行います。ヘモグロビン値7g/dlを目安にして赤血球液を輸血したりします。

血小板の輸血

出血などの血小板が少なくなったことで起こる症状を改善するために血小板濃厚液を輸血します。血小板数5,000/μlを目安にすることが多いようです。

白血球の刺激因子、抗菌剤の投与

白血球が少なくなってしまった場合、感染症の予防として抗菌剤が投与されたり、産生を刺激するG-CSFといった刺激因子を投与します。

まとめ

高齢者に多く診断される不応性貧血(骨髄異形成症候群:MDS)は、造血幹細胞の質が悪くなって血液が作れなくなったり、芽球が増えて白血病に進行したりします。

突然発病することが多い白血病ですが、まれに何か前兆のような症状に引き続きて発病します。そのような状態を「前白血病状態」といい、不応性貧血(骨髄異形成症候群:MDS)は、代表的な前白血病状態です。

骨髄や血液中に芽球が多く出現します。その芽球の割合によって、おもに4つに分類されます。

  1. 不応性貧血
  2. 鉄芽球性貧血
  3. 芽球増加を伴う不応性貧血
  4. 慢性骨髄単球性白血病

これらに、確立した治療法はありませんが、病気の型によって、血液細胞の減少の度合いが違うので、それぞれに対応した適切な治療法が選択されます。

また、病気の経過をよく観察し、今後の経過を予測することも行われます。

おもな治療方法としては次の3つです。

  1. 骨髄移植
  2. 抗がん剤による治療法
  3. 輸血

病気の型や症状を十分に考慮し、適切な治療を行うことが重要です。

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