「最近、些細なことでイライラしてしまう」「感情のコントロールが難しくなった」と感じることはありませんか?
特に出産後の女性や忙しい現代人の中には、「なんだかいつもイライラしている」と悩む方も多いでしょう。
実は、そのイライラの原因の一つに「鉄分不足」が関係している可能性があります。鉄分は、心の安定を保つ神経伝達物質の合成に必要不可欠な栄養素。不足すると感情のバランスが崩れやすくなり、怒りっぽくなったり、気分が落ち込みやすくなったりするのです。
本記事では、鉄分不足が「キレやすさ」とどう関係しているのかを詳しく解説し、効果的な鉄分補給方法をご紹介します。
1. 鉄分不足がキレやすさに影響する理由
鉄分は、私たちの体にとって重要な栄養素の一つですが、その役割は「貧血を防ぐ」だけではありません。特に、心のバランスを整える神経伝達物質の合成に欠かせない存在です。
神経伝達物質と鉄分の関係
脳内では「ノルアドレナリン」や「ドーパミン」といった神経伝達物質が分泌され、気持ちを安定させたり、意欲を生み出したりする役割を担っています。鉄分が不足すると、これらの神経伝達物質のバランスが崩れ、以下のような症状が現れやすくなります。
- イライラしやすくなる
- 些細なことで怒りっぽくなる
- 不安感が増す
- 気持ちが沈みやすくなる
このように、鉄分不足は「心の健康」と深く関わっているのです。
実際の研究データも裏付け
研究では、鉄分不足が精神的な不調を引き起こす可能性があることが示されています。例えば、
- 重度の鉄分不足は、うつ病やパニック障害のリスクを高める
- ノルアドレナリンの過剰分泌を抑えられず、興奮状態が続きやすい
こうしたことから、鉄分を適切に摂取することが、心の健康を保つためにも重要なのです。

2. 日本人女性の99%が鉄分不足?データで見る現状
鉄分不足は特に女性に多いと言われています。厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると、
- 20~49歳の女性の80%がフェリチン(貯蔵鉄)40以下
- 99%以上の女性がフェリチン100以下(欧米では鉄分不足と判断される数値)
欧米では、フェリチン値40以下の女性は出産を推奨されないほど鉄分不足が深刻とされています。
例えば、米国疾病予防管理センター(CDC)の報告によると、フェリチン値が低い女性は妊娠時の合併症リスクが高まることが指摘されています。

鉄分不足になりやすい理由
- 生理による定期的な出血 → 毎月の生理で鉄分が失われやすい
- 妊娠・出産による鉄分消費 → 出産時に大量の鉄を消費する
- 食事からの鉄分摂取が不足 → 鉄分を意識的に摂取しないと不足しやすい
3. 鉄分不足を効果的に解消する方法
鉄分を多く含む食品
食品 | 鉄分含有量(100gあたり) |
---|---|
豚レバー | 13.0mg |
鶏レバー | 9.0mg |
ほうれん草 | 2.0mg |
小松菜 | 2.8mg |
マグロ(赤身) | 1.0mg |
カツオ | 1.9mg |
大豆(乾燥) | 6.8mg |
海藻(ひじき) | 6.2mg |
4. 鉄分をしっかり吸収するための食べ合わせ
鉄分の吸収を助ける栄養素と阻害する食品
- ビタミンCと一緒に摂る → 鉄の吸収率を高める(例:レモン+ほうれん草)
- クエン酸と一緒に摂る → 鉄を吸収しやすい形にする(例:酢の物や柑橘類)
鉄分の吸収を阻害する食品
- カフェイン(コーヒー、紅茶、緑茶)→ 鉄の吸収を阻害するタンニンを含む
- カルシウム(牛乳、チーズ、ヨーグルト)→ 鉄と競合し、吸収を低下させる
- 食物繊維の多い食品(玄米、全粒粉)→ 鉄を吸収しにくくする可能性がある
5. まとめ:鉄分を意識して、イライラしにくい毎日を
鉄分不足は、単に貧血を引き起こすだけでなく、感情のコントロールにも大きな影響を与えることが分かりました。特に女性は鉄分が不足しやすいため、日々の食事からしっかり補給することが重要です。
参考記事
詳しくは、以下の記事も参考にしてください。

