ヤル気が起きない、すぐイライラする、疲れがとれないなど、じつは鉄分不足が原因かも?ここでは、鉄分不足が招く精神(心)への影響について詳しくご紹介いたします。
貧血になるとイライラは鉄分不足が招く!
「鉄分不足」と聞いてまっさきに思い浮かぶこと言えば貧血ですね。日本は貧血大国とも言われ、貧血の人は年々ふえてきています。
貧血の人は,30歳代で約20%,40歳代で約26%に達しているそうです(東京都予防医学協会年報 2009年版 第38号より)
鉄分は、血液中のヘモグロビンをつくる材料です。ヘモグロビンは、全身の組織に酸素を運ぶという重要な役割があります。
そのため、鉄分が不足すると酸素が十分に運ばれず、さまざまな症状を引き起こします。それが貧血の症状であり、このように、鉄分が不足して起こる貧血を鉄欠乏性貧血といいます。
鉄欠乏性貧血では、一般の貧血に症状にくわえて、鉄分が不足することによる症状も引き起こします。イライラは鉄分不足によるものです。
鉄欠乏性貧血では貯蔵鉄がカラっぽ
急な出血や、何かの病気が原因でなく、鉄分不足によって鉄欠乏性貧血になっている場合、ヘモグロビンは急に少なくなることはありません。
それは貯蔵鉄という鉄のストックがあるからです。鉄分不足になると、まずはこのストック分から鉄を使います。そしてストック分がなくなった時にはじめて血液中のヘモグロビンが少なくなります。
ヘモグロビンが少なくなることで貧血と診断されるわけですが、その前の貯蔵鉄を切り崩している状態を「潜在性鉄欠乏症」「貧血予備群」「隠れ貧血」などと言います。
貧血と診断されていなくても、鉄分不足(隠れ貧血)の人には、イライラなど鉄分不足による症状が現れます。
▼鉄分不足(隠れ貧血)が招くこと
鉄欠乏性貧血の症状
鉄分は基本的には食事からしか入ってきません。食事によって鉄分が補給されない状態が長く続き、貯蔵鉄がからっぽになることで起こる鉄欠乏性貧血。
この状態では、ヘモグロビンが少なくなることで起こる「酸欠の症状」と、イライラなどの「鉄分不足の症状」があらわれます。
貧血の症状は酸欠の症状
鉄分が不足すると、ヘモグロビンなどを一定に保つため貯蔵鉄から鉄分が使われます。そして貯蔵分が底をつきるとヘモグロビンが作られる量が減っていき、結果的に貧血と診断されます。
ヘモグロビンは酸素を運ぶ役割があるので、これが少なくなるという事は、全身から酸素が少なくなるという事です。
脳が酸欠になると
- 失神
- 立ちくらみ
- めまい
- 頭痛 など
心臓が酸欠になると
- 息切れ
- 動悸
- 胸が痛い など
筋肉が酸欠になると
- 肩こり
- 疲れやすい
- だるい など
その他、酸素不足が招くもの
お肌の酸素不足は活性酸素の増加につながり、シミやシワの原因ともなりますし、酸素が末端の細胞まで行き届かなければ、体温が下がり、冷え性の原因ともなりますし、平均体温が低いと基礎代謝量も下がるので太りやすくなったりもします。
鉄分不足による症状
鉄分は、私たちのカラダに欠かすことのできないもそです。鉄分不足になることで、私たちの精神(こころ)にさまざまな影響があらわれます。具体的にどのような症状があらわれるのか、くわしくご紹介していきます。
鉄分不足では神経伝達物質が作られない?
鉄分不足は酸欠を招くだけでなく、心にも大きな影響をあたえます。それは、鉄分不足によって、ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンといった神経伝達物質の生産が減少するからです。
これらの神経伝達物質は、精神面や感情、学習能力や運動機能、睡眠などといった、私たちの体にとって大切な機能に影響を与えています。
鉄の不足は神経伝達物質の合成に必要なモノアミン酸 化酵素の低下,海馬,前頭葉などにおけるチトクローム 酸化酵素の低下も引き起こし,小児では発達,発育障害, 易刺激性の亢進,注意力の低下,情緒障害,学習障害, 異食症など,成人でも易疲労感,いらいら感,活力低下, 運動能の低下,異食症,むずむず足症候群などの神経精神症状が起こる。
引用:「四国医誌 68巻1,2号」
鉄分不足の精神(心)への影響
これら神経伝達物質は、互いにバランスを取り合うことで、私たちの心身のバランスを整えてくれています。
しかし、鉄分が不足することで、このバランスがくずれてしまい、精神面や感情、学習能力や運動機能、睡眠などといった、私たちの体にとって大切な機能に悪い影響を与えてしまいます。
不眠など
鉄分不足によってセロトニンが不足すると、睡眠ホルモンであるメラトニンも不足しやすくなり、寝付きが悪くなったり、日中眠たいなどといったの症状が起こりやすくなります。
また、睡眠の質が下がるという事は、成長ホルモンが分泌されにくくなってしまいます。
成長ホルモンが不足した場合のおもな影響
- 疲れが取れにくい
- 風邪をひきやすい
- 肌のシミやシワができやすい
- 脂肪が分解されにくくなる(太りやすい)など
ヤル気が起きない
物事への関心が薄れ、何に対しても意欲がなくなり、やる気が出ない状態になりやすくなるとされています。
依存症になりやすい
鉄分が不足すると、快楽ホルモンと言われるドーパミンを抑制しにくくなり、目先の快楽を求めやすくなり、さまざまな依存症になりやすくなるとされています。(例;アルコール依存・ギャンブル依存・買い物依存・ネット依存など。)
イライラする・怒りっぽい
鉄分不足になると、興奮や意欲を促進させるノルアドレナリンを抑制しにくくなり、イライラしてキレやすくなったり、怒りっぽくなったりと、攻撃性が増してしまうとされています。
また、集中力がない、落ち着きがなくなるなどの影響もあるとされています。
鉄分不足を解消するために大切な2つの事
鉄分不足によって招くものは鉄欠乏性貧血だけではありません。この貧血は鉄分不足の最終的な結果であって、そうなる過程においてはさまざまな症状が現れます。
しかし、多くの場合、ゆっくりと進行していくため、症状を自覚していない人が多いと言います。それは、イライラなどといった症状が、まさか鉄分不足によるものと思いにくいからではないでしょうか?
最後に、鉄分不足を解消するために大切な2つの事をご紹介します。
まずは自分の鉄分不足を把握しよう
鉄分不足を解消するために大切な事は、まず、自分がどれくらいの鉄分不足の状態かを把握する事からです。鉄分が不足すると、貯蔵鉄という鉄の貯金を切り崩してそれを補っています。
つまり、いま自分にどれくらいの鉄の貯金があるかどうかを調べれば、どれくらい鉄がたりていないかを知ることができます。その方法は、血液中の「血清フェリチン」というタンパク質の濃度を調べてもらえばわかります。
▼鉄分不足の検査について
やっぱり毎日の食事が1番大切
鉄分は基本的には食事からしか入ってきません。しかし、やみくもにただ鉄分が豊富な食べ物をとれば良いというわけでもありません。
▼効果的な鉄分補給の食事に関して詳しくご紹介しています。
そのイライラは鉄分不足が原因!?~まとめ~
私たちの心のバランスを保ってくれている代表的な神経伝達物質は次の3つです。
- セロトニン(心を安定させる)
- ノルアドレナリン(やる気を作る)
- ドーパミン(快楽を作る)
鉄分不足では、これらの神経伝達物質のバランスがくずれてしまい、イライラする、やる気がでない、睡眠の質が下がる、感情が不安定になるなどの症状が出てしまいます。
女性の多くは鉄分不足です。月経による出血も原因の一つですが、体型維持のためのダイエットなど、食事が原因となっていることが根本にあります。
鉄分を積極的のとるという事は、貧血予防だけでなく、これまであきらめていた、精神的な症状の改善にもつながるかもしれません。
であれば、鉄分不足の解消は人生を変えるかもしれないと言っても、大げさではないのかもしれません。
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