貧血(鉄分不足)にならないために、または改善していくために必要な鉄分の量は、年齢や性別によって違います。
ここでは、各年齢や性別毎に必要な鉄分の量と、もっとも鉄分が必要な時期についてご紹介しています。
貧血(鉄分不足)の予防や改善に向けた情報として、ぜひご活用ください。
1日に必要な鉄分の量
1日に失われる鉄の量は約1mgです。
女性の場合は、+0.5mgが失われています。この失われた分を、食事などでカバーする必要があります。
貧血が改善せずに悩む人が多いので、食べ物に含まれる鉄分が少ないと思いそうですが、実際にはどうでしょうか?
まずは鉄分を多く含む食べ物を見てみましょう。
鉄分の多い食べ物
- カレー粉 [28.5]
- 豚レバー [13]
- いりごま [9.9]
- 鶏レバー [9]
- 納豆 [8.6]
- しじみ [8.3]
- きなこ [8.0]
- パセリ [7.5]
(単位はmg/100gあたり)
▼鉄分が多い食べ物の一覧
このように、食べ物に含まれる鉄分の量を見れば、失われる「1mg」よりもはるかに多く含んでいます。
これだけを見ると、食べ物からの貧血の改善はかんたんそうです。
鉄分は吸収されにくい
しかし、失われる量と同じ分だけ鉄分をとればいいわけではありません。
それは、体内に吸収される鉄分は10%くらいしかないからです。
つまり、失われた量より、はるかに多くの鉄分をとらなけらばならないということです。
その量は、性別や年齢などによって違いがあり、「厚生労働省 日本人の食事摂取基準」により、その推奨量が発表されています。
貧血予防や改善のためには欠かせない情報の1つです。
食事による鉄の摂取基準
男性 | 女性 | ||
年齢 (歳) |
推奨量 (mg/日) |
推奨量 (mg/日) |
|
月経 なし |
月経 あり |
||
0~0.5 | – | – | – |
0.6~0.9 | 5.0 | 4.5 | – |
1~2 | 4.5 | 4.5 | – |
3~5 | 5.5 | 5.0 | – |
6~7 | 6.5 | 6.5 | – |
8~9 | 8.0 | 8.5 | – |
10~11 | 10.0 | 10.0 | 14.0 |
12~14 | 11.5 | 10.0 | 14.0 |
15~17 | 9.5 | 7.0 | 10.5 |
18~29 | 7.0 | 6.0 | 10.5 |
30~49 | 7.5 | 6.5 | 10.5 |
50~69 | 7.5 | 6.5 | 10.5 |
70~ | 7.0 | 6.0 | – |
妊娠 初期 |
– | +2.5 | – |
妊娠 中・後期 |
– | +15.0 | – |
授乳期 | – | +2.5 | – |
鉄分が最も必要な時期ベスト3
1日に摂るべき鉄の摂取基準(推奨量)が多い年齢や性別ほど、鉄分が不足しやすい時期、つまり、鉄分がもっとも必要な時期となります。
先にご紹介した、鉄の摂取推奨量が多い人のBEST3は以下のようになります。
- 妊娠中期、後期【 1日あたり25.5】
- 10~14歳の生理(月経)がある女性【1日あたり 14.0】
- 妊娠初期、授乳期【 1日あたり13.0】
※単位はmg
そのほかにも、成長期にあたる10~14歳の年代では、男女問わずに鉄分が必要な時期です。
また、生理のある女性は、出血によって鉄が失われる分、年齢を問わずに必要な鉄分の摂取量が多くなっています。
さいごに
1日に必要な鉄分の摂取量と、 鉄分が最も必要な時期についてご紹介してきました。
鉄分はとくに吸収されにくい栄養素。
鉄分の吸収率は体の状態によって変化するので、ただ鉄分が多い食べ物を食べれば良いわけではありあません。
そのほか、貧血(鉄分不足)にいい食べ物に関する記事もご参照いただけたら幸いです。
参考資料
- 厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2015年版)
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