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「お茶に含まれるタンニンは鉄分の吸収を阻害する!」は古い常識

貧血など、鉄分不足でおなやみの方で、食事の時にはお茶を飲んだらいけないと思っている人も多いのではないのでしょうか??

昔から、「お茶と一緒に食事をすると、鉄分があまり吸収されない」」と言われてきました。

しかしこの考えは近年見直され、「お茶で鉄剤を飲まないように」と指導する医師や薬剤師などは、もうほとんどいないと言われています。

お茶が鉄分の吸収を阻害すると言われてきた理由

お茶が鉄分の吸収を阻害するというのも根拠のある話しです。

それは、緑茶や紅茶などの多く含まれる「タンニン」という物質が関係しています。

タンニンはお茶以外にもワインやコーヒー、柿などにも含まれています。

これらの食品には「渋み」がありますが、その原因となっているのがタンニンです。

タンニンの性質

タンニンの性質は、たんぱく質や金属イオンなどと強く結合し、水に溶けにくい化合物を形成する性質があります。

(タンニンを含む食品を食べて渋みを感じるのは、口の中の粘膜とタンニンが結合する事が原因だと言われています。)

鉄分を含む食べ物とお茶を一緒に摂れば、タンニンが食べ物の鉄分と結合して、不溶性の化合物を形成してしまい、鉄の吸収が阻害される可能性があるのです。

ある報告によれば、一杯の紅茶と一緒に「鉄強化米」を食べたところ、鉄の吸収率は49%も低下したと報告されています。

しかしこれは、被験者の貧血の有無とは無関係だったそうです。

「貧血によくない飲み物がお茶」は昔の話し

新しい研究によれば、鉄剤を水で服用しても、お茶で服用しても、その吸収率に大差はなかったそうです。

この理由としては、、鉄分不足の状態では、消化管での鉄分吸収率が各段に上がる事だと言われています。

つまり、タンニンが鉄の吸収を多少阻害しても、その影響は無視できる、と考えられているのです。

鉄分不足では鉄の吸収が上がる

鉄分不足の状態で、体内への鉄の吸収率が上がる仕組みについては「貧血・鉄分不足にいい食べ物はレバーじゃなかった!」で詳しくご紹介しています。

鉄分不足の状態とは、出血や、食べ物からの鉄分摂取不足によって、体内の貯蔵鉄が消費され始めた状態のことを言います。

私たちの体は本当によくできていて、鉄分不足の状態では、体内の鉄分吸収に関わるさまざまな物質が働き、その吸収率を上げてくれます。

さいごに

病院から処方される鉄剤など、「昔はよくお茶と一緒に飲まないように」と指導されてきました。

しかしそれは昔の話。

鉄分吸収の仕組みが少しづつ明らかになってきたため、これまでの常識とは違う内容が発表されつつあります。

貧血サポートラボでは、貧血のでお悩みの方のために少しでもお役に立てるよう、最新の有意義な情報を発信してまいります。

参考文献

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