貧血の治し方まるわかり | 貧血サポートラボ

ズバリ貧血とは?? 以外と知られていない貧血という病気

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日常生活のなかで、頭がクラ~っとなったりしたときなどに、よく「貧血」という言葉が使われますが、そもそも貧血とは何でしょうか?また、何が原因でおこるのでしょうか?

ほかにも、「私、貧血だから朝が苦手で・・」や「学校の朝礼のとき貧血でたおれた!」などとも使われると思います。

このように使われる貧血の多くは、脳に流れる血液の量が減る事で起こる「脳貧血」というものです医学的には貧血とは違います。

▼貧血と脳貧血の違いについて詳しくは以下の記事をご確認ください。

では貧血とはどのような状態なのでしょうか?

貧血とは血液が薄い状態の事

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医学的に「貧血」という状態は、血液のなかの赤血球の数や割合、ヘモグロビンの濃度が基準値以下に少なくなっている事です。

(基準値とは正常な数値の事ではありません。詳しくは「貧血の血液検査について解説。基準値は正常な数値ではない!」にてご確認ください。)

つまり血液が薄い状態ということです。

赤血球はおもに酸素を運ぶ役割がありますから、これが少ないとその能力が低くなります。そうなると、体中の組織が必要としている酸素が少なくなるので、さまざまな悪い影響があらわれます。

赤血球やヘモグロビンなど、血液について理解することは貧血を理解することにつながります。

▼詳しくは以下の記事をご参照ください。

貧血の一般的な症状

貧血の一般的な症状は、次の3つのことから起こります。

  1. 赤血球の量が少ない事によるもの
  2. 酸素の供給不足によるもの
  3. 心臓の心拍出量維持によるもの

赤血球には赤い色素体であるヘモグロビンが大量に含まれます。これが少なくなるので顔色が青白くなります。酸素の供給が不足することで、頭痛やめまい、疲れやすい、息切れ、動悸など、さまざまな症状があらわれます。

▼貧血の症状についての記事です。

症状の重さと数値は無関係?!

貧血の症状の出方は、貧血の進み方によって違いがあります。進み方がゆっくりのときは、カラダが順応してしまい、ほとんど症状を感じない事があります。

貧血とは自覚していない人が健康診断などで血液検査をおこなった結果、重度の貧血だったというケースはとても多いそうです。

症状を自覚していない人でも、貧血の治療を行うことで、カラダがとても楽になったと感じます。

貧血を起こす3つの原因

貧血はさまざまな原因によってあらあわれます。その原因は、大きく以下の3つに分かれます。

  1. 赤血球のつくられる量が少ない
  2. 赤血球の壊れ方が激しい
  3. ほかの病気に続発する

この中で、最も多い割合を占めるのは「1.赤血球のつくられる量が少ない」ことです。

赤血球がつくられる量が少ない理由

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赤血球などの血液細胞は、骨の真ん中にある骨髄というところでつくられます。

赤血球のつくられる量が少なくなってしまう原因としては、おもに次のことが考えられます。

  1. 赤血球の材料不足
  2. 血液がつくられるときに異常が生じている

この2つの中で最も多いのは「1.赤血球の材料不足」です。貧血を起こす原因を整理すると、もっとも多い貧血の原因は、「赤血球の材料が不足することで、つくられる量が少なくなること」です。

 材料とは鉄・ビタミンB12・葉酸のこと

赤血球がつくられるために欠かせない物質には、鉄分、ビタミンB12、葉酸などがあります。なかでも鉄分は最も不足する事が多く、その結果、鉄欠乏性貧血をおこします。

▼鉄欠乏性貧血について詳しく

ビタミンB12と葉酸は、ともにDNAの合成に必要な物質です。これらが不足すると、DNAの合成に不具合がおきてしまい、赤血球1個当たりの大きさがおおきくなってしまう、巨赤芽球性貧血をおこします。

▼巨赤芽球性貧血について詳しく

血液がつくられるときの異常とは?

血液つくられるときの異常には、おもに次の2つのケースがあります。

  1. 骨髄の造血幹細胞が少なくなる
  2. 造血の過程に異常が生じる

※造血=血液をつくりだすこと
※造血幹細胞=赤血球などの血液細胞(血球)がつくられる細胞

骨髄の造血幹細胞が少なくなる原因

骨髄に何らかの異常が起こり、造血幹細胞が少なくなる病気を再生不良性貧血といいます。

造血幹細胞とは、赤血球だけでなく、白血球、血小板といったほかの血液細胞もつくられる細胞ですから、この病気で不足するのは赤血球だけではありません。

免疫の異常が関係している場合が多いのではないかと考えられていますが、何かしらの薬によって起きたり、生まれつきになっている人もいます。

▼再生不良性貧血について詳しく

造血の過程に異常が生じる原因

骨髄では、赤血球、白血球、血小板などの血液細胞がつくられていますが、これらの細胞がつくられる過程において何かしらの異常が起こり、細胞が成長しきるまえに死んでしまうために、貧血をはじめとした血液細胞が少なくなることで起こる病気があります。

この病気は不応性貧血(骨髄異形成症候群)とよばれ、白血病に移行することもあります。

▼不応性貧血について詳しく

赤血球の壊れ方が激しい原因

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赤血球は、通常では120日の寿命を持っています。その寿命に達する前に壊されてしまう事を「溶血」といいます。その溶血によって起こる貧血を溶血性貧血といい、貧血の症状に加えて黄疸が出ることがあります。

原因は、赤血球それ自体に異常がある場合と、赤血球のまわりの環境に異常がある場合とがあります。

▼溶血性貧血について詳しく

ほかの病気から起こる貧血とは?

血液の病気による貧血ではなくて、ほかの病気があるために起こる貧血があります。このような貧血は「二次性貧血」「続発性貧血」などと呼ばれます。

さまざまな病気が原因となって、鉄の運搬や利用がうまくできなくなったり、血液がつくらるためのさまざまな物質が産生されなくなってしまうことが原因とされています。

代表的な二次性貧血とは?

腎臓の機能が悪くなって血液の透析が必要になるような状態を慢性腎不全(尿毒症)等と呼びます。そうなると、赤血球をつくるために必要なエリスロポエチンという造血因子が産まれにくくなってしまい、貧血をおこします。

これを腎性貧血といい、代表的な二次性貧血です。

▼腎性貧血について詳しく

出血による貧血

出血は、貧血の原因の一つとして重要なものでもあります。

たくさんの出血があれば、当然貧血になってしまいますが、少しの量の出血であっても、それが長く続くようであれば、それも貧血の原因です。

少量の出血にこそ注意が必要

少しの出血が続くような状況であれば、貧血の進みかたもゆっくりです。そうなると、自覚症状があらわれにくくなってしまいます。

赤血球の数が正常なときの半分くらいの量になっても症状に気づかずに、血液検査をしてみて初めて分かるということも珍しくないようです。

少しの出血が原因となって起こるのは鉄欠乏性貧血がほとんどです。

血液の3割が失われると・・・

短時間にたくさんの量の出血があると、激しい症状が出ます。

カラダ全体の約30パーセントの血液が急速に失われた場合は、血液の循環がうまくいかなくなって、命の危険があります。

血圧を維持することもできなくなってしまいますから、急いで輸血や点滴をしたりする必要があります。

貧血とは? ~まとめ~

貧血とは、血液のなかの赤血球の数や割合、ヘモグロビンの濃度が基準値以下に少なくなっている状態の事です。

貧血の一般的な症状は次のようなことから起きます。

  • 赤血球の量が少ない事によるもの
  • 酸素の供給不足によるもの
  • 心臓の心拍出量維持によるもの

貧血の症状の出方は、貧血の進み方によって違いがあります。

貧血を起こす原因は大きく3つの分類されます。

  1. 赤血球のつくられる量が少ない
  2. 赤血球の壊れ方が激しい
  3. ほかの病気に続発する

もっとも多い貧血の原因は、「赤血球の材料が不足することで、赤血球のつくられる量が少なくなること」です。

なかでも、鉄分については、女性の2ルに1人は不足傾向にあると言われています。しかし、原因がはっきりしているので、しっかり対策すれば、必ず治るとも言われています。

▼鉄分の吸収について大切なこと

貧血を改善していくにあたって、まず一番大切な事は、自分の貧血の状態を正確に把握することです。

症状は軽くても、思わぬ病気が潜んでいることがあります。

これくらい大丈夫が命とりになるかもしれません。貧血が進行してしまう前に、早めの治療や予防をこころがけることが何よりも大切です。

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