「もっと痩せてキレイになりたい…」
そう思って取り組むダイエットですが、体型の維持ばかりに気を付けた結果、美容にマイナスの影響をうけ、理想とは違う結果をまねくことがあります。
ここでは、ダイエットや偏食が招く貧血(鉄分不足)によって受ける、美容への影響についてご紹介します。
ダイエットや偏った食生活を送っている方、もしくはその経験がある方の体は、すでに悲鳴をあげているかもしれません。
鉄分不足が招く美容のマイナス面
次のような症状がある場合は、鉄分不足のサインかもしれません。
ダイエット中の人、過去にダイエットにとりくんだ人、偏った食生活を送っている人は要チェックです。
- いくらクリームを塗っても治らないカサカサ乾燥肌
- ドライヤーで乾燥させるときに抜ける大量の抜け毛
- 割れやすい爪
- 目の下のくまが治らない
- むくみがひどい…
これらはすべて、鉄分不足と大きな関係があります。
ダイエットで鉄分不足は当たり前
ダイエット中で食事制限をしている人の多くは、人間が1日に必要とするエネルギーに程遠い量しかとれていません。
その結果、さまざまな栄養不足が起こるのは当たり前のことです。
とくに、日本人女性のほとんどは鉄分不足だと言われていますから、ダイエットによって不足してしまうのは当然です。
ダイエットでおこる酸欠
鉄分が不足すると、私たちの体に酸素を運んでくれているヘモグロビンが十分つくられなくなります。
ヘモグロビンが不足することで起こるのは、体の酸欠です。
▼酸欠の症状については以下の記事でご紹介
さらに酸欠状態では、体の組織だけではなく、細胞にも大きな影響がおこります。
鉄分不足は代謝にも影響
新陳代謝という言葉は多くの人がご存知だと思います。
新陳代謝とは、エネルギー源と栄養素が反応し、古くなった細胞から新しい細胞へ作り替えられることです。
引用:Weblio辞書
各細胞の代謝の周期は、部位によって違います。
各部位の新陳代謝の周期
- 胃や腸の細胞
- 約5日
- 心臓
- 約22日
- 肌の細胞
- 約28日
- 筋肉や肝臓
- 約2か月
- 骨
- 約3か月
代謝が正常な場合、私たちの体は約3か月ごとに新しい状態に変わり続けていることになります。
酸欠で鈍くなる代謝
ところが、細胞が酸欠状態になると、新陳代謝が鈍くなってしまいます。
つまり、古い細胞が新しい細胞に生まれ変わる周期が遅くなってしまうのです。
それでは、代謝が遅くなってしまうことによる具体的な影響を見ていきましょう。
肌への影響
貧血(鉄分不足)による酸欠は、生き生きとした肌のハリをなくし、血色を悪くしてしまいます。
そうなると、顔色は悪くなり、実際の年齢よりも老けた印象を与えてしまいます。
皮膚への影響
酸素が不足している皮膚の細胞は、古い細胞が新しい細胞になかなか入れ替わりにくくなり、肌荒れや、カサカサ肌をまねきます。
つまり、皮膚の潤いがなくなってしまうのです。
皮膚の弾力もなくなる
さらに貧血(鉄分不足)によって酸欠になると、皮膚の主成分であるコラーゲン合成も影響を受けます。
コラーゲンには、肌の弾力維持や保湿の役割がありますが、コラーゲンの合成が遅れることで、肌の弾力や保湿機能も損なってしまいます。
髪への影響
髪の毛というのは、毛根の細胞が分裂して髪の毛がつくられ、外に追い出されるように伸びていきます。
そのため、毛根の細胞が酸欠になってしまうと、髪の毛が細くなったり、切れ毛や抜け毛、枝毛が増えたりしてしまいます。
爪への影響
爪の酸素不足が続くと、薄くて割れやすい爪になってしまいます。
重度の鉄分不足では、爪の中央が凹んでしまう「スプーンネイル」の状態になります。
ダイエットが与える赤ちゃんへの影響
ダイエットで不足しやすい栄養素の1つは鉄分です。
しかし、ビタミン不足は気にしても、鉄分不足を気にする人は少ないのではないでしょうか?
しかし、その状況が一転するときがあります。
それは「妊娠」した時です。
産婦人科では、必ず血液検査が行われますが、その目的の1つが貧血チェックです。
貧血は早産や低出生体重児の原因に
母親が貧血の場合では、「早産」や「低出生体重児」として生まれる可能性が高くなります。
「厚生労働省 健やか親子 21 推進協議会」によると、平成13~26年で悪化した指標のひとつに、低出生体重児の割合をあげています。
高齢出産の影響もありますが、ダイエットが女性の健康や、赤ちゃんにも影響していることも見て見ぬふりはできません。
鉄分は精神にも影響
また最近では、産後のうつ病などといった精神的な問題にも、鉄分が大きく関係していると言われています。
その他、鉄分不足が与える子どもへの影響など、以下の記事をぜひご参照ください。
さいごに
これまでに、美容と貧血(鉄分不足)という視点で、ダイエットや偏った食事が、肌や紙の質、顔色に影響を及ぼし、妊娠したとき、赤ちゃんにまで影響を与えてしまうことをご紹介しました。
美容を保つうえでも、出産のためにも、積極的な鉄分補給を強くおすすめいたします。
参考文献
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