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貧血の治し方まるわかり | 貧血サポートラボ

「甘いものがやめられない…」それは鉄分不足が原因かも!

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健康維持やダイエットなどを目的として、「糖質制限」に取り組まれたことがある方も多いかと多いかと思います。白米・パン・パスタ・ラーメン・スイーツなど、さまざまな誘惑と闘いながら必死で制限していることでしょう。

でも…「太ると分かっていながら、甘いものだけはなかなかやめられない。」そんな人も多いかと思います。

「また誘惑に負けてしまった…」と、自分をせめてしまいがちですが、はてして本当に意思が弱いことが原因なのでしょうか?

なんと、甘いものがなかなかやめられないのには理由がありました。ここでは、そのメカニズムについてご紹介します。

この記事を読むことで、あなたの糖質制限の効率が格段にアップします。とくにダイエット中の方は必見です。

糖質の摂りすぎで起こるエネルギー不足

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甘いものが欲しくなるメカニズムについて理解するには、まずはエネルギーがどのように生み出されるかを簡単に知る必要があります。

少し専門的な内容となりますが、できる限り分かりやすくご紹介していきます。

糖質とは、炭水化物から食物繊維を除いたものです。また、砂糖や果糖、デンプンなども糖質です。

糖質は摂りすぎると、体から生み出されるエネルギーが不足してしまいます。

イメージだと、糖質はエネルギーの素とも言われていますから、摂り過ぎによってエネルギー不足になるということは考えにくいかもしれません。

糖質は、摂れば摂るほどエネルギーがどんどん不足していってしまいます。

エネルギー代謝はおもに3段階

私たちはふだん「エネルギー」という言葉を何気なく口にしますが、エネルギーは、私たち生物の中で「ATP(アデノシン三リン酸)」と呼ばれる形で蓄えられています。

糖質からは、次の3つの段階を経てATPを取り出します。

  1. 解糖系
  2. クエン酸回路(TCA回路)
  3. 電子伝達系

糖質からATPを取り出すメカニズムは、口から入った糖質が消化吸収によってグルコースというものに変換されるところがスタートです。

そして、「解糖系」という最初の反応が起こり、クエン酸回路・電子伝達系へと入りATPを取り出します。

解糖系の特徴

解糖系では、その文字の通り、糖を分解する方法でエネルギーを取り出します。グルコースは分解をくりかえしピルビン酸となり2個のATPができます。

糖質からは、最終的に36~38個のATPができますので、解糖系で得られるエネルギーはわずかですが、素早くエネルギーを生み出すことができるという特徴があります。

本来、エネルギー代謝において酸素は必要不可欠ですが、解糖系では酸素がいりません。そのため、ダッシュをしたり、重いものを持ち上げたり、呼吸によって酸素を取り入れられない状況でも、素早くエネルギーを生み出すことができるのです。

しかし、ATPを取り出す効率が悪く、グルコース1分子あたり2個のATPしか得られません。また、蓄えられるグルコースには限りがありますので、解糖系だけのエネルギーでは間に合わないという特徴があります。

解糖系でのエネルギーについて、

  • 素早くATPを取り出せる
  • ATPを取り出す効率が悪い
  • 蓄えられるグルコースには限りがある

この3つの特徴は、甘いものが欲しくなるメカニズムにおいてとても重要なポイントです。

解糖系の流れ

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1.糖質はグルコースへ
糖質は、各消化器官や肝臓で「グルコース」に変換されます。そして血液に乗って運ばれ、インスリンによって細胞に取り込まれます。
2.ATPを使い分解
細胞内に取り込まれたグルコースは、2つのATPを使用し半分に分解され、水素分子が外されます。(これを脱水素といいます。)
3.分解を繰り返しピルビン酸へ
水素が取り外されながら分解を繰り返し、最終的にピルビン酸となります。ここで、4つのATPを取り出すことができます。
4.差し引き2つのATPとピルビン酸
解糖系では、グルコース1分子に対して得られるATPはの4分子。しかし、分解の際にATPを2分子消費しているので差し引き2分子のATPしか得られません。また、得られるピルビン酸は2分子です。

クエン酸回路と電子伝達系の特徴

解糖系によって変換されたピルビン酸は、次に細胞内小器官であるミトコンドリアへと入り、クエン酸回路・電子伝達系を経て最終的にはグルコース1分子あたり36~38個ものATPがつくられます。

クエン酸回路・電子伝達系では、解糖系と違い酸素が必要です。

ATPを取り出すためには、酸素以外にも様々なものの助けが必要で、特に鉄分は必須です。

クエン酸回路と電子伝達系の流れ

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1.ピルビン酸はアセチルCoAへ
ミトコンドリア内に入ったピルビン酸は、アセチルCoAという化合物に変わります。このときに必要となるものが、ビタミンB1・B2・ナイアシン(B3)・パントテン酸(B5)・アルファリポ酸です。
2.クエン酸サイクルへ入る
アセチルCoAはオキサロ酢酸と結合してクエン酸回路(TCA回路ともいう)へと入ります。この回路を1周する毎に複数のATPがつくられますが、その際に必要なものが、ビタミンB群・マグネシウム・そして鉄分です。
3.最終段階の電子伝達系へ
そして最終段階の電子伝達系では、解糖系やクエン酸回路によって分解され水素分子の力をりようして、さらにATPをつくります。この働きのなかでも鉄分は必須です。
4.最終的に38個のATPがつくられる
クエン酸回路と電子伝達系では、最終的に38個ものATPが作られます。酸素を使わない解糖系では2個でしたので、いかに効率が良いかが分かります。

糖質過多によるエネルギー不足

エネルギー代謝の流れについて簡単にご紹介してきました。糖質がエネルギーに変わる過程においては、鉄分をはじめ、ビタミンBなどによる助けが必要不可欠です。

もし、鉄分やビタミンBなどが不足した状態で糖質をとるとどうなるでしょうか?

解糖系で得られたピルビン酸をアセチルCoAに変換できず、クエン酸回路に入れなくなってしまいます。

そうなると最終的に、クエン酸回路・電子伝達系でつくられるはずのATPが少なくなってしまいます。

さらに、鉄分やビタミンが不足した状態で糖質を摂りすぎると、クエン酸回路が回らなくなります。

そうなれば代謝は解糖系へと傾き、ATP不足はさらに加速してしまいます。

鉄分は必須です。

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繰り返しますが、糖質からエネルギーが生み出される過程おいて鉄分は必須です。もし鉄分不足になると、クエン酸回路の機能も電子伝達系回路の機能も低下し、ATP不足に陥ります。

ATP不足とはエネルギー不足のことです。熱が生まれないためカラダは冷えていきますし、エネルギーが生まれないため、俊敏に動くことができにくくなります。

さらに、解糖系でつくられたピルビン酸も、ミトコンドリア内で使われなくなるため増えてしまい、ピルビン酸からは乳酸が出ますから、慢性的に溜まってしまい、肩こりや頭痛の原因となってしまいます。

甘いものが欲しくなるのは鉄分不足!?

しつこいようですが、鉄分はクエン酸回路でも電子伝達系でも必須です。

鉄分不足ではこれらの機能が低下してしまい、ATP不足となり、解糖系でエネルギーを作ろうとします。しかし解糖系はエネルギーをつくる効率が悪く、グルコースの蓄えにも限りがあります。

カラダはなんとかエネルギーをつくろうとしますから、より多くの材料(グルコース)必要とするので、次から次へと甘いものが欲しくなってしまうわけです。

甘いものの食べ過ぎは意思の弱さではない

甘いものの誘惑に負けてしまい、ついつい食べ過ぎてしまう人は、けっして意思が弱いわけではありません。単にエネルギー(ATP)が不足しているだけだからです。

甘いものを大量に食べてしまった後は「また誘惑に負けてしまった…」と自己嫌悪に陥りがちですが、体がATPを求めているだけなのです。

ATP不足を解消する食事とは?

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甘いものを食べ過ぎてしまう=ATP不足。つまり、ATPをつくる効率が良い食事が、甘いもの食べ過ぎを防ぐための食事といえます。甘いものを食べ過ぎることに悩んでいる人へは、次のような食事がおすすめです。

  1. 糖質はなるべく抑える
  2. 動物性たんぱく質を摂る
  3. 動物性脂肪をとる

※脂肪酸は解糖系を経由せず直接ミトコンドリアへ入りクエン酸回路・電子伝達系を経てATPをうみだします。つくられる量は炭素数にもより違いもありますが、パルミチン酸の場合では約130個ものATPが得られるとされています。

ATP不足を解消する食事の例

食べ物の例としては「卵焼き」「バターで焼いたチーズ入りオムレツ」「発酵バターをコーヒーに入れたバターコーヒー」「ココナッツオイル」などです。また、肉や魚は日ごろから積極的に食べるように心がけることも大切です。

バターは、長時間継続的にアセチルCoAへと変換され、クエン酸回路にスムーズに入ります。そうなると、長くATPが満たされた時間が続くので、甘いものを食べたい欲求が抑えられると考えられます。

しかし鉄分不足では、いくら食べ物に気をつけても、その効果は得られないとされています。

ただし、鉄・タンパク質不足がある女性は、まずそちら(鉄・タンパク不足)の改善を優先してください。電子伝達系には鉄が必須ですから、鉄不足があるとうまく代謝できません。

引用:「うつ・パニックは「鉄」不足が原因だった」藤川徳美著 光文社新書

鉄分不足では燃料が使えない

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これまでに、鉄分はATPを生み出すためのクエン酸回路や電子伝達系において必須だとご紹介してきました。

ふだんの私たちの食事を、エネルギー(ATP)をつくるための燃料とするなら、鉄分不足とは「燃料がつかえない状態」とも言えます。

ですから、鉄分不足を放置したまま、いくら良い燃料を摂り続けても、その燃料が使えない状態なら効果がないはずです。

▼自然な食べ物で鉄分を効率よくとる方法

女性は鉄分不足を疑うべき

甘いものは大好きだけど、貧血を疑われたこともないから、鉄分不足ではないだろうと思った方は、そう判断するのは早すぎます。

たしかに鉄分はヘモグロビンをつくるうえでも欠かせないものですから、鉄分不足=貧血気味と思われるのも無理はありません。

しかし、鉄分不足が原因となる貧血が現れたときは、もうすでに体内の鉄は空っぽの状態。鉄分不足が進行している間は、一般的な血液検査の結果には現れません。

そのため、「貧血ではない=鉄分不足」ではないという認識は間違っています。月経のある女性の80%以上は鉄分不足だといわれています。

まずは鉄分不足を疑ってみることをおすすめします。

▼鉄分不足を調べる方法については下記の記事をご参照ください。

甘いもの依存のワケ。~まとめ~

十分にエネルギー(ATP)が作られれば、甘いものを食べたい欲求は減ってくると考えられますが、そのためには鉄分が必須です。

言い換えるなら、鉄分不足では、どんなに食事に気を付けたとしても甘いもの欲求が抑えられないということになります。

優先すべきは鉄分不足の改善。「いけないとは思っていても、甘いものがなかなかやめられない」といった方は、鉄分補給を試してみてはいかがでしょうか?

参考書籍:「うつ・パニックは「鉄」不足が原因だった」藤川徳美著 光文社新書

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