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日本貧血改善協会

鉄分が多い食べ物を見分ける2つのポイント

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貧血(鉄分不足)にいい食べ物とは何でしょうか?
その答えは単純ではありません。

ここでは、貧血(鉄分不足)にいい食べ物の見分け方について重要なことを2つご紹介します。貧血(鉄分不足)を改善、予防するためのヒントとなりましたら幸いです。

鉄分量を気にする前に

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鉄分の多い食べ物を調べている人にとって、食べ物に含まれる鉄分の量が最も大きな指標になっていると思います。しかし、その前に把握しておかなければいけないことがあります。
それは、鉄分が不足してしまっている原因の把握です。

どのようにして鉄分が不足してしまっているかによって、その対策は大きく変わってきます。

「鉄分をたくさん摂っているけど、なかなか貧血が改善しない」

といった方は、まったく的外れな対策をしている可能性があります。
まずは、次の2つのケースのどちらで鉄分が不足しているのか把握することが大切です。

ケース1. 貯蔵鉄から枯れていく

とくに女性に多いケースがこれです。
日本人女性のほとんどは鉄分不足だといわれています。

おもに、生理による出血や子宮筋腫などを原因として鉄分が失われ、失われた分を食事で補う事ができず鉄分不足となります。

この場合、貯蔵鉄(フェリチン鉄)から徐々に失われ、これが枯渇して血液中の鉄が失われ、その結果「貧血」と診断されます。

貧血と診断されなくても鉄分不足

この場合、血液検査ではヘモグロビンが正常ですから、貧血とは診断されません。

しかし、「貯蔵鉄を切り崩している状態=鉄分不足」という認識が重要になります。

貯蔵鉄は、血液検査によって「血清フェリチン値」を調べることで分かり、最近では、病院以外に自宅で検査できるキットも販売されています。

▼費用など詳細について

ケース2. 鉄が出回っていない

体内の貯蔵鉄が十分あるにもかかわらず、血液中の鉄が少なくなり貧血となるケースがあります。

要するに、貯蔵庫には鉄が十分あるのに、体内に出回っていない状況になっているのです。この原因は、感染症などによって体内に炎症を起こし、体内の鉄調節機能がうまく働かなくなることです。

体内の鉄を調節する仕組みについては別の記事でご紹介していますので、ぜひご確認ください。

この場合は鉄量の大小は無意味

体内の炎症が原因で鉄の調節機能がうまく働いていない場合、食べ物による鉄量の大小は無意味です。炎症の原因を特定し、改善しておく必要があるのです。

鉄分が多い食べ物を見分けるポイント

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さて、これからご紹介する鉄分が多い食べ物を見分けるポイントについては、先にご紹介した、「貯蔵鉄からなくなるケース」が前提です。

そのポイントとは、

  1. 水分量を除いた固形分あたりの鉄分量でも比較してみる
  2. ヘム鉄と非ヘム鉄の吸収率は体内の状況によって変化することを考慮する

これら2つをのポイントをおさえることで、「貧血(鉄分不足)にいい食べ物とは何か?」という答えを見つける糸口になるかもしれません。

では、それぞれ詳しく見てみましょう。

水分量を考慮しない比較

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健康本などに記載されている鉄分量。
その数字だけを鵜呑みにして、優劣を決めてしまうのはよくありません。

野菜類は水分量が多く、加熱すると小さくなる一方、バジルはほとんど水分を含まないなど、水分量によって鉄含有量のイメージが異なります。

つまり、単純にその食物に含まれる鉄分量は、水分を除いた「固形分あたり」もあわせて判断すべきなのかもしれません。

レバーと小松菜の鉄分量は同じ!?

水分を含んだ食べ物で鉄分量を比較した場合と、固形分あたりの鉄分量で比較した場合とでは、鉄分が多い食べ物のイメージが大きく異なってきます。

鉄分の多い豚レバーや鶏レバーでさえ、固形分あたりの鉄量は小松菜やサラダ菜と同程度でしかありません。

水分量を含む場合の鉄分が多い食べ物

水分を含む場合での、鉄分を多く含む代表的な食べ物を5つご紹介します。

バジル 120.0
アユ焼き(内臓) 63.2
豚レバー 13.0
パセリ 7.5
小松菜 2.8

※単位はmg/100gあたり

水分を除いた場合の鉄分が多い食べ物

水分を除いた固形分あたりの、鉄分を多く含む代表的な食べ物を5つご紹介します。

アユ焼き(内臓) 152.7
バジル 134.7
パセリ 49.0
小松菜 47.4
豚レバー 46.4

※単位はmg/100gあたり

このように、鉄分を多く含む食べもののイメージが大きく変わることがお分かりいただけると思います。

鉄分を多く含む食べ物の特徴

肉類
肉類の場合、含まれる鉄の量は、その赤みの濃さと比例します。肉の身では馬肉に含まれる鉄分が多いですが、「さくら肉」と呼ばれ、赤みの濃さが特徴です。
魚介類
魚介類では、コケをエサとする天然アユの焼き魚にたくさんの鉄分が含まれています。とくに内臓の部分には、63.2mg/100gもの鉄分が含まれています。
貝類
貝類では、あさり・しじみ・ホッキガイなどに比較的多くの鉄分が含まれます。赤貝のような赤みの強いかいはヘム鉄を含み、しじみやあさりといった白いものには非ヘム鉄が含まれています。

鉄の吸収率を考慮する

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食べ物に含まれる鉄分には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類があります。ヘム鉄の吸収率は15~25%、非ヘム鉄が2~5%。
であれば断然ヘム鉄を摂るべきだと考えてしまいがちです。

しかしこの吸収率は、体内の鉄分が不足している状態か否かで大きく変化します。つまり、貧血(鉄分不足)の予防が目的であれば、普段から安定的に鉄分が摂れるヘム鉄がいいでしょう。しかし、既に鉄分が不足していおる状態では、ヘム鉄よりも非ヘム鉄の吸収の方が上回ります。

肉類よりも野菜類の方が良いわけです。

まとめ

さいごに、鉄分が多い食べ物を見分けるポイントについて整理します。

まずは、

  • 鉄分不足の原因が炎症性なのか否かを把握すること

原因が、食べ物による鉄分補給が少ないことであれば、

  • 水分量による鉄含有量のイメージに左右されないこと
  • 予防にはヘム鉄、改善には非ヘム鉄と、目的を考慮すること

が大切なポイントとなります。

ただやみくもに、鉄分は多い食べ物にたよることはやめて、目的をハッキリさせたうえで鉄分を補給すべきです。

▼鉄分補給に優れたフルーツ

参考文献

  • 鉄マグ欠乏症 後藤日出夫著 健康ジャーナル社
  • 日本食品標準成分表2015年版(七訂)

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