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子供の貧血は小学生から注意! 鉄分不足による子供への影響とは?

子供の成長期にはたくさんの栄養素が必要。鉄分も例外ではありません。

子供の成長期にあたる小学生では、身体の成長だけでなく、精神面でも大きく成長するときです。
この時期の鉄分不足は、身体面と精神面の両方に大きな影響を与えてしまいます。

ですから、子供の食生活に関わる親が、子供の貧血に対して正しい知識を持つことはとても重要な事です。

ここでは、小学生から始まる成長期の子供を持つお父さんお母さんのために、子供の貧血に関する情報をご紹介しています。

子供の健康維持にぜひお役立てください。

子供の成長期とは?

 

生まれてきた赤ちゃんの身長は50cmほど。

そこから1年後には70~80cmにまで成長し、4歳になる頃には生まれた時のの2倍近くと、急激に伸びていきます。

この時期を「第一次成長期」と呼び、 身長や体重だけでなく、精神面や免疫機能も大きく成長する時期です。

▼第一次成長期の貧血について

この時期が終わると成長のスピードは一旦ゆるやかになります。

そして再び身長が急激に伸び出すのが、「第二次成長期」です。

この時期は、身体だけではなく、運動神経や自律神経といった神経系の器官も完成形に近づいていきます。

「第二次成長期」の始まる時期には個人差がありますが、一般的には女の子が先です。

早くて7歳半頃、平均で10歳くらいから始まります。

一方、男の子は早くて9歳、平均で11歳半くらいがスタートの時期となります。

子供の貧血。原因は鉄分不足!

 

子供の貧血の原因な中で圧倒的に多いのが「鉄欠乏性貧血」という、鉄分不足が原因で起こる貧血です。

これは、子供に限らず、大人にも共通して言えることです。

鉄分は体内ではつくられませんから食べ物によって摂取するしかありません。

しかし、数ある栄養素の中でも非常に吸収しにくい栄養素である鉄分。

1日に必要な鉄分を食べ物で補えない状態が続くことにより、体内の鉄分がなくなっていった結果、貧血を招いてしまいます。

子供に必要な鉄分は大人よりも多い

 

 

成長期では、急激に身長が伸び体重が増えます。

という事は、体をめぐっている血液、赤血球、筋肉も急激に増えます。

赤血球中のモグロビンに含まれる鉄に酸素がくっつくことで全身に酸素を運ぶことができます。

また、筋肉中のミオグロビンに含まれる鉄に酸素がくっつくことで、必要となるときまで酸素を貯蔵することができています。

そのため、成長期によって赤血球や筋肉の量が増えれば、ヘモグロビンやミオグロビンが必要な量も増えることになりますから、同時に鉄分も必要になってくるわけです

そのような変化が起こりやすいのが小学生です。

鉄分の需要が高まるのに食事によって補う事ができなければ、ますます鉄分が不足し、貧血を招いてしまうのです。

子供が1日に必要な鉄分の量

繰り返しますが、ヘモグロビンをつくるために重要な栄養素が鉄分です。

1日に摂るべき鉄分の量は、性別や年齢によって違いがあります。

1日に摂るべき鉄の摂取基準(推奨量)が多い年齢や性別ほど、鉄分が不足しやすい時期、つまり、鉄分がもっとも必要な時期となります。

6~7歳
男の子:6.5mg/1日
女の子:6.5mg/1日
8~9歳
男の子:8.0mg/1日
女の子:8.5mg/1日
10~11歳
男の子:10.0mg/1日
女の子:10.0mg/1日
12~14歳
男の子:11.5mg/1日
女の子:10.0mg/1日

▼その他年代の鉄分推奨量について

成長期の子供に鉄分が不足する理由

子供に鉄分が不足する理由は、成長期に増大した鉄の必要量が、食事によって補えていないからです。

この時期に鉄分が不足しやすい理由として、次の4つが考えられます。

  1. 朝食を抜く
  2. 偏食によって栄養が偏る
  3. インスタント食品をたくさん食べる
  4. 過酷なダイエットをしてしまう

つまり、食生活の乱れが鉄分不足をいっそう深刻にしてしまうということです。

朝食の大切さ

独立行政法人日本スポーツ振興センターが行っている「児童生徒の食生活等実態調査」によると、朝食を食べない小学生は、1995年には13.3%だったのが、2005年には14.6%と微増傾向にあります。成長期にあたる子が朝食をぬいて、1日に必要な栄養素を昼食と夕食だけで補うのは容易ではありません。栄養バランスは乱れ、鉄分不足にもつながってしまいます。

引用:「貧血大国・日本 放置されてきた国民病の原因と対策」山本佳奈著 光文社新書

朝の慌ただしさから、朝食を食べな

「貧血大国・日本 放置されてきた国民病の原因と対策」 山本佳奈著 光文社新書

い、もしくは簡単に済ませてしまう場合が多いかと思いますが、子供の貧血をふせぐためにも、鉄分を意識した食事をしっかり心がけましょう。

インスタント食品やスナック菓子に注意

インスタント食品やスナック菓子の食べ過ぎも問題です。

インスタント食品・スナック菓子に、乳化剤・安定剤・防腐剤などとして添加される「リン酸」が鉄分の吸収を悪くします。

また、カップ麺などはほとんどが炭水化物。これだけで食事を済ませると、食物繊維やビタミン、さらには鉄分が不足してしまいます。

ダイエットによる」食事制限

さらに最近では、小学生でも体液を気にしている子が増えました。

ダイエット目的に食事制限をすると、体が必要としている栄養素が全体的に不足してしまい、同時に鉄分も不足し、貧血へと陥りやすくなってしまいます。

とくに女の子にその傾向が強いと思いますが、小学校も高学年になると初潮を迎える子が多くなります。

定期的な出血により、鉄分の必要量はさらに多くなりますので、この時期のダイエットには注意が必要です。

子供の貧血の症状

子供の貧血の大半は鉄分不足が原因です。

そのため、貧血によって酸素が不足する事で起こる症状と、鉄分不足が招く症状とがあります。

酸素不足が招く症状

貧血とは、血液中のヘモグロビンが少ない状態のこと。

ヘモグロビンには、全身に酸素を運ぶ役割がありますから、貧血になると酸素がふそくしてしまい、さまざまな症状が起こります。

酸素不足による症状

▼酸素不足の影響について

鉄分不足が招く症状

鉄分不足では、それ自体が発育期の中枢神経系に大きな影響を及ぼすこともあり、運動面や学習面にさまざまな影響があると言われています。

さらに、鉄分不足は心にも大きな影響をあたえます。

鉄分不足によって、神経伝達物質(ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニン)の生産が減少するからです。

これらの神経伝達物質も、精神面や感情、学習能力や運動機能、睡眠などといった、私たちの体にとって大切な機能に影響を与えています。

鉄の不足は神経伝達物質の合成に必要なモノアミン酸 化酵素の低下,海馬,前頭葉などにおけるチトクローム 酸化酵素の低下も引き起こし,小児では発達,発育障害, 易刺激性の亢進,注意力の低下,情緒障害,学習障害, 異食症など,成人でも易疲労感,いらいら感,活力低下, 運動能の低下,異食症,むずむず足症候群などの神経精神症状が起こる。

引用:「四国医誌 68巻1.2号」

▼その他鉄分不足の影響について

子供の貧血への対処法

子供の貧血の原因は、ほとんどの場合で鉄分不足です。

鉄分不足の予防や改善には、1にも2にもまず食事。

しかし鉄分は、とても吸収しにくい栄養素として知られ、ただ鉄分が多い食べ物を食べれば良いというわけではありません。

子供の貧血対策に、鉄分不足を解消するための食べ物については、以下の記事をご参照ください。

さいごに

子供の貧血の多くは症状が分かりにくく、自分で症状を訴える事がなかなかできません。

本人に自覚症状がなくても、すぐイライラするようになった、集中力がなくなったなどと言った場合は、もしかしたら血の症状かも?と疑うくらいがちょうど良いかもしれません。

これらの内容が、食生活の乱れからくる子供の貧血対策に、正しい知識を身につけるための情報となりましたら幸いです。

参考文献

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