貧血によって吐き気が起こる事をご存じでしたか?
数ある吐き気の原因の中に。貧血と大きく関わっているものは決して少なくはありません。
貧血と吐き気は、その症状に関連性を感じず、原因が別だと考えてしまいがちですが…
では、なぜ貧血が原因で吐き気が起こるのでしょう?
貧血と吐き気の関係
貧血で吐き気が起こる可能性は以下の3つです。
- 貧血の症状に起因するもの
- 貧血の原因に起因するもの
- 鉄剤の副作用
それぞれ、なぜ吐き気が起こるのか、1つずつ順番に見ていきましょう。
1.貧血の症状に起因する吐き気
貧血とは、血液中のヘモグロビンが少ない状態のことを言います。
ヘモグロビンには、酸素を全身み運ぶ大切な働きがありますから、貧血になると酸欠によるさまざまな症状が起こります。
その中に吐き気を催す可能性があるものがあります。
胃腸の働きが低下する
貧血で内臓が酸欠状態になってしまうと、胃腸など消化器の働きが低下します。
胃腸の働きが低下することで、消化の機能が弱まり、消化がうまくいかずに吐き気を引き起こす事があります。
しかし、吐き気と貧血との関係はこれだけではありません。
頭痛による吐き気
頭痛がひどい場合に吐き気を催した経験はありませんか?
貧血によって脳へ送られる酸素の量が不足し、頭痛を引き起こすこともありますから、頭痛は、貧血の代表的な症状でもあります。
症状がひどくなると頭痛だけではなく、吐き気を感じたり、嘔吐をすることも。
2.貧血の原因に起因する吐き気
次に貧血の原因に関係する吐き気をご紹介します。
貧血による酸素不足といった直接的な吐き気ではなく、「なぜ貧血になったのか?」という原因の部分に、吐き気を症状とするものがあります。
例えば、貧血を起こしやすい時期に生理がありますが、生理の症状によって吐き気を催すことがあります。
生理によって貧血が起こることもあるため、生理と貧血、吐き気の3つは相互に関係することがあるのです。
もちろん、貧血の原因は生理だけではありません。
吐き気と相互に関係する代表的なものには以下のものが考えられます。
- 生理
- 婦人科系の病気
- 妊娠による「つわり」
- 腎臓の病気
生理による吐き気
生理は、定期的な出血によって多くの血液が失われ、造血が追い付かなくなり、貧血が起こりやすくなります。
生理時に分泌されるプロスタグランジンという物質は、子宮を収縮させ、体外に不要な経血や粘膜を押し出す重要な役割があります。
しかし、これが過剰に分泌されると、子宮の収縮が強くなり過ぎて、下腹部痛を感じるようになります。
これが生理痛の正体です。
さらに胃や腸にも影響を及ぼすため、吐き気を起こしやすくなります。
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婦人科系の病気による吐き気
子宮内膜症など、生理時の大量出血を伴う婦人科系の病気は、貧血を伴う場合が多いです。
最近はで10~20歳代といった若い世代にも多くみられ、激しい生理痛や下腹部痛、さらに吐き気や嘔吐などの症状がみられます。
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妊娠によるつわり
妊娠による「つわり」で食事がとれなくなった人は、体内の鉄分が不足し貧血になりやすくなります。
つわりによる吐き気で鉄分補給がままならず貧血を招くという悪循環に注意です。
腎臓の病気による吐き気
腎臓では、赤血球が成熟されていく際に作用する、エリスロポエチンというホルモンが作られています。
そのため、腎臓の病気になり、その機能が極度に低下すると尿毒症を引き起こし、その症状のひとつとして、吐き気があらわれます。
▼腎臓の病気が招く貧血について
鉄剤の副作用としての吐き気
さいごに、鉄剤による副作用をご紹介します。
それまでご紹介してきたような、貧血の原因と関係する吐き気とは違いますが、貧血の治療に使われる鉄剤によっても、吐き気が起こる事があります。
鉄剤として有名なフェロミアという錠剤を例にあげます。
フェロミア錠は鉄分を補給する為にはとても優れている薬です。
しかし、副作用に悩んでいる方が多いのも事実です。
主な副作用として、
- 胃痛
- 便秘
- 下痢
- 吐き気
- 嘔吐
など、この薬は消化器官に刺激を与えますので、胃薬や整腸剤と共に処方されることが多いのです。
副作用が吐き気だけでならまだしも、嘔吐が続く場合は栄養不足の状態となりま。
副作用ある場合は、早めに医師へ相談する事をおすすめします。
さいごに
吐き気には、直接的に貧血の症状に起因するものと、貧血の原因に間接的に関係するものとがあります。
いずれも、どちらが吐き気の原因なのか判断することは難しいですが、大切な事は原因をしっかり把握すること。
しっかりと病院で診てもらい、自身の吐き気の原因を把握しましょう。
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