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「貧血にいい食べ物って何?」が分かる☆鉄分不足を解消するコツ

貧血の改善や鉄分不足の解消を、サプリメントやお薬にたよらず「できるだけ自然な食べ物で!」。

そう思っている人も多いのではないでしょうか?

しかし、鉄分が多い食べ物をただやみくもに食べれば良いというわけではありません。

ここでは、貧血にいい食べ物に関する大切な情報をご紹介します。

「けっきょく貧血にいい食べ物って何なの?」という答えが分かる記事です。

貧血や鉄分不足を改善する為の情報として、ぜひお役立てください。

鉄分たっぷりの食べ物が大切なワケ

よく、「貧血の予防や改善には鉄分が豊富な食べ物を!」と耳にしますが、なぜ貧血には鉄分なのでしょう?

ますはその理由からご紹介していきます。

貧血とは、血液中のヘモグロビンが少なくなっている状態の事。つまり、血液が薄くなってしまった状態のことを言います。

ヘモグロビンにはカラダ中に酸素を運ぶという重要な働きがありますが、毎日一定の量が失われています。

ですから、ヘモグロビンは毎日つくられないといけません。

そのときの材料となるのが鉄分。

ですから、材料である鉄分が足りないと作られる量も少なくなり貧血を招いてしまうのです。

貧血の大半は鉄分不足が原因です。

貧血には、なぜ血液が薄くなってしまったのか、その原因ごとに種類があります。

その中で、全体の60%~80%と大半を占めるのが、「鉄欠乏性貧血」という、その名の示す通り鉄分不足が原因で起こる貧血です。

参照元:一般社団法人 -長野県臨床検査技師会-

女性のほとんどは鉄分不足なんです!!

「私は貧血じゃないから鉄分は不足していない」。そう思うのはまだ早いです。

鉄分はとっても吸収されにくい栄養素。食べ物では十分に補えずに、鉄分不足を招いてしまっている可能性が高いです。

厚生労働省が行っている国民健康栄養調査では、日本人の鉄分不足の割合を確認することができます。

鉄分は毎日必要です。

血液をつくるときに必要な鉄分は、食べ物のみによって吸収されているかというと、そうではありません。

血液(赤血球)がつくられる際には20~25 mgの鉄分が必要ですが、そのうち食べ物から吸収される鉄はわずか1~2 mgで、それ以外はリサイクルされた鉄によってまかなわれています。

▼鉄分の吸収とリサイクルについて

このわずか1~2 mgの鉄を補えないくらい、ふだんの食事によって食べ物から得られる鉄分が足りていないのが現状です。

食べ物の種類で変わる鉄分の吸収率

食べ物に含まれる鉄分は、肉や魚などの動物性食品に含まれる「ヘム鉄」と、野菜や芋類、豆類などの植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」があります。

▼それぞれの特徴について

ヘム鉄と非ヘム鉄では、その吸収率に大きな違いがあります。

ヘム鉄では10~20%、非ヘム鉄では1~5%と、ヘム鉄の方が優れているように思います。

「貧血にはレバー」。と昔から言われてきたのは、動物性食品に含まれるヘム鉄が豊富なためです。

ヘム鉄の多い食べ物

(mg/100gあたり)

鉄分不足では非ヘム鉄の吸収が良くなる!!

しかし、「貧血(鉄分不足)の改善にはレバーなどヘム鉄が豊富な食べ物を!」と言われてきたのは、鉄分が吸収されるしくみについて詳しく分かっていなかった昔の情報が元になったものです。

現在では、吸収のしくみや体内の鉄の調節が明らかになってきたことで、鉄分不足を解消するには「ヘム鉄ではなく非ヘム鉄をとるべき」だと明らかになりました。

それは、体内が鉄分不足の状態だと、ヘム鉄より非ヘム鉄の吸収率が大きく上回る事が分かったからです。

このように、食べ物からの鉄分の吸収率は、鉄分が不足しているかどうかで大きく変わってきます。

非ヘム鉄の多い食べ物

(mg/100gあたり)

▼その他、鉄分を多く含む食べ物の一覧

食べ物で鉄分を補うために大切な事

食べ物で鉄分を補うために大切な事をご紹介します。

非ヘム鉄の吸収率は、食べ合わせによって大きく変わるという事です。

鉄分不足の状態で吸収率が良くなることと合わせれば、さらに効率的に鉄分を補うことが期待できます。

ヘム鉄
動物性のヘム鉄は、鉄分不足の状態ではさほどの効果はありませんが、食べ合わせによって他の食品などの影響を受けにくいという特徴があります。そのため、ふだんから鉄分不足を起こさないように、予防を目的として少しづつとるには適しています。
非ヘム鉄
一方で非ヘム鉄は、鉄分不足の状態だと吸収率が大きく上がるので、日常からの摂取と同時に、鉄分不足の解消に適しています。しかし、消化吸収の過程においてさまざまな環境因子の影響をうけやすいので、食べ合わせなどには注意が必要です。

食べ物に関するポイント5つ

非ヘム鉄を、食べ物で効率的に吸収するためのポイントは以下の5つです。

  1. 食事前に水分を摂り過ぎない
  2. 「ビタミンC」をいっしょに
  3. 「果実酸」をいっしょに
  4. 「コーヒー」や「お茶」を避ける
  5. サプリメントを同時に利用しない

食事前に水分を摂り過ぎない

非ヘム鉄はイオン化状態にならないと吸収されません。

そのため、胃液で十分に酸性にしておく必要があるので、食事の前に水分を摂りすぎると胃液が薄まってしまいます。

イオンとは?
※鉄を含む、この世のすべてのものは「原子」でできています。原子は、プラスの粒子とマイナスの粒子が同じ数ずつ集まっていますが、時にはマイナス粒子を他の原子にあげたり、もらったりすることがあります。マイナス粒子が別の原子に移動して、プラスとマイナスの数が合わなくなった状態が「イオン」です。

ピロリ菌は除菌した方がいい

ピロリ菌を保菌している人は、ピロリ菌が出すアンモニアが酸をアルカリ化する可能性がありますので、除菌したほうが良いかもしれません。

また、胃薬に含まれる制酸剤も、酸をアルカリ化するので好ましくありません。

「ビタミンC」をいっしょに

食べ物に含まれる鉄は3価鉄という状態で存在しています。

この状態だとほとんど吸収されないので、イオン化された3価鉄を2価鉄へと還元する必要があります。

私たちの体内には、3価鉄を2価鉄へと還元する機能がありますが十分ではありません。

そのため、還元作用がある「ビタミンC」を一緒に摂ると吸収率が格段に上がります。

ビタミンCは熱に弱い

ビタミンCは、ピーマンやキャベツなどの野菜や、ゆずやキウイといった果物に多く含まれますが、水に溶けやすく熱に弱いという弱点があります。

野菜や果物を洗ったあとの水切りは必ずしましょう。

また、熱に弱いことから、野菜などは強火でサッと炒めるよう心がけると良いです。

ビタミンCの多い食べ物

(mg/100gあたり)

その他還元作用の強いもの

ビタミンC以外では、ブドウ糖にも強い還元力があるので、炭水化物をよく噛んで食べると鉄の吸収率が上がります。

果実酸を一緒に

繰り返しますが、非ヘム鉄は他の栄養素から受ける影響が大きいです。

その影響は鉄の吸収をさまたげる事もありますが、逆に吸収を良くしてくれる事もあります。

そこでクエン酸やリンゴ酸などといった果実酸にキレート化させることも有効です。

キレート化とは、鉄分などのミネラルを包み込んで吸収しやすい状態へしてくれることです。

果実酸とは?

果実酸とは、リンゴ酸やクエン酸など果物や野菜に多く含まれる酸味成分

そのほか穀物などにも含まれています。

果実酸はクエン酸回路の働きで酸性物質の分解を促進し、疲労回復にも効果があります。

また、ミネラル(鉄分など)のキレート作用が、活性酸素の発生を抑えるという報告もあります。

クエン酸を多く含む食べ物

(g/100gあたり)

リンゴ酸を多く含む食べ物

(g/100gあたり)

▼鉄分・ビタミンC・リンゴ酸の3つをたっぷり含んだ果物

「お茶」や「コーヒー」は避ける??

吸収を良くしてくれる食べ合わせも重要ですが、吸収を悪くする食べ物を避ける事も重要です。

鉄分の吸収を悪くしてしまう代表的なもの、お茶やコーヒーなどです。

お茶やコーヒーには「タンニン」という渋みの成分があります。渋みが強い飲み物ほど、タンニンが多く含まれます。

タンニンは鉄と結びつく性質があり、水に溶けにくくなるため吸収率が悪くなってしまうのです。

お茶やコーヒーは食事の前後をさける

鉄分の吸収を悪くしてしまうお茶やコーヒーですが、貧血を改善する事が目的であれば、飲んだらいけないという事ではありません。

なぜなら、鉄分不足の場合では、体内の鉄分吸収率が各段に上がる為、タンニンによる吸収率の阻害は影響がないことが、近年あきらかになってきたからです。

▼タンニンについて詳しく▼

貧血の改善ではなく、予防が目的に場合では、飲み方に気をつけるという事が大切です。

食前食後30分~1時間ほど空いていれば、吸収を悪くされる影響は少なくなります。食事と同時に「タンニン」をとらない事に注意しましょう。

どうしても飲みたい場合は、お茶の中ではタンニンの少ない「麦茶」などが良いです。

また、タンニンは、80℃以下の水では溶けにくい性質をもっていまので、水出しであれば、その影響を受けにくくなります。

タンニンを多く含む飲み物

(mg/100gあたり)

サプリメントを同時に利用しない

鉄分が吸収される入口を利用する栄養素は複数あります。

銅、コバルト、亜鉛、マンガン、カドミウム、ニッケル、鉛などです。

そのため、サプリメントなどによるミネラル補給を同時に行うと、鉄は後回しにされて吸収率がぐんと下がってしまいます。

食品中の有害物質(カドミウムや鉛)にも同じことが言えます。

その他、鉄分の吸収を悪くする食べ物

フィチン酸
穀物の皮に含まれる、エグ味の成分であるフィチン酸が鉄分の吸収を悪くします。
リン酸
ハム・ソーセージ・インスタント食品・スナック菓子によく使用されている乳化剤・安定剤・防腐剤などとして添加される「リン酸」が鉄分の吸収を悪くします。
シュウ酸
ホウレンソウやたけのこなどのアクの成分である「シュウ酸」。これは鉄と結びつきやすいため、鉄分の吸収を悪くします。しかし、水に溶けやすいため、ゆでればその影響はすくなくなります。
炭酸飲料
ビールやジュースなどの炭酸飲料も鉄分の吸収を悪くします。炭酸を飲みながらの食事には注意が必要です。

▼その他、鉄分の吸収を助ける食べ物や、阻害する食べ物の一覧

他の栄養素によって、その吸収を悪くされたり、逆に良くされたりするので、悪くする栄養素を減らし、良くする栄養素を利用できるかどうかが大きなポイントであり、改善のための近道です。

つまり、食べ合わせがとても重要という事ですね。

▼鉄分・ビタミンC・リンゴ酸が1度でたっぷり摂れる果物

鉄分不足を解消するコツ ~まとめ~

非ヘム鉄の吸収率は、鉄分不足の状態だとヘム鉄を大きく上回ります。

さらに、非ヘム鉄は食べ合わせによっても吸収率が大きく変わるため、摂りかたによっては、さらに効率的に鉄分を補うことが期待できます。

そのコツとは、

といった内容です。

これらの積み重ねがとても大切になってきます。

鉄分不足が原因で起こる貧血は、しっかりと対処をしていけば必ず改善する病気だと言われています。

効果的な食事で貧血(鉄分不足)の改善を目指していきましょう。

参考文献

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